• 2025/08/28 掲載

ECB、インフレ巡り意見分かれる 関税やユーロ高も議論=7月議事要旨

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[フランクフルト 28日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)が28日公表した7月理事会の議事要旨によると、インフレ見通しを巡って政策当局者の間で意見が分かれたことが明らかになった。米国の関税政策やユーロ高の影響についても議論が交わされた。

ECBは7月の理事会で主要政策金利を2.0%に据え置いた。9月の会合でも据え置きが見込まれているが、秋以降、米国の関税が景気に影響を及ぼす場合には、追加利下げの議論が再開される可能性がある。

議事要旨では「理事会メンバーは、EUと米国の通商交渉の行方を見極める必要性では一致したが、インフレリスクの方向性については見解が分かれた」と指摘された。

複数の理事は、インフレリスクが6月時点のスタッフ予測よりも下振れ方向に傾いているとし、米国の関税が予測の10%を上回る可能性や、他国がEU向け輸出を増やす可能性を挙げた。来年のインフレ期待は、追加利下げが織り込まれているにもかかわらず2%を下回っている。

一部の理事は、景気とインフレの下振れリスクが高まっていることを理由に、7月時点での追加利下げが正当化されると主張した。

一方で、他の理事は経済の底堅さを強調し、サービス部門のインフレが依然として高水準であることや、関税が供給網を混乱させる可能性を指摘した。また、世界的な財政拡張のインフレ効果が予測よりも過小評価されている可能性も議論された。

7月以降の指標では、ユーロ圏経済は堅調を維持し、インフレ率もECBの目標である2%付近で推移している。米トランプ政権がEU製品に課した関税(大半が15%)もECBの予測に近く、最悪のシナリオは回避された。

議事要旨では、政策の不確実性が「今後も世界およびユーロ圏経済の見通しにおける重要な要素であり続ける」との認識が示されたが、その影響の大きさについては意見が分かれた。

外国為替市場でのユーロ高についても言及され、「ユーロ高には構造的な側面があり、短期的には反転しにくい」との見方が示された。一方で、ユーロ高による物価への影響は限定的との見方もあり、「輸入物価の低下による抑制効果は、国内需要の高まりによる価格圧力で相殺される可能性がある」とされた。

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