- 2025/09/15 掲載
中国8月指標、鉱工業生産・小売売上高が減速 予想も下回る
[北京 15日 ロイター] - 中国国家統計局が15日発表した8月の経済指標は、鉱工業生産が1年ぶりの低い伸びとなったほか、小売売上高の伸びも9カ月ぶりの低水準に減速した。製造業者は米国との貿易協定に関するより明確な説明を待ち、国内需要は不安定な雇用市場と長引く不動産危機によって抑制されている。大幅な成長鈍化を防ぐため、当局にはさらなる景気刺激策を求める圧力がかかっている。
8月の鉱工業生産は前年比5.2%増と、昨年8月以来の低い伸びを記録。7月の5.7%増から減速し、ロイターがまとめた市場予想(5.7%増)も下回った。
小売売上高は3.4%増加。伸びは昨年11月以来の低水準となった。こちらも7月の3.7%増から鈍化し、予想の3.9%増を下回った。
INGの中華圏担当チーフエコノミスト、リン・ソン氏は「年初の好調により、今年の成長目標は依然として達成可能だが、昨年の今頃と同様、今年を好調に終えるにはさらなる刺激策が必要になる可能性がある」と指摘。
「9月に施行される消費者ローン補助金の影響を測るのは時期尚早だが、全体的な景気減速を考えれば、一層の政策支援が必要だろう。今後数週間のうちに10ベーシスポイント(bp)の追加利下げと50bpの預金準備率引き下げが行われる可能性が高いとみている」と語った。
今月発表された別のデータによると、製造業は米国向け輸出を東南アジア、アフリカ、中南米に振り向けることにある程度成功しているが、不動産危機が依然として経済安定に向けた取り組みを打ち消している。
8月の新築住宅価格は前月比0.3%、前年比2.5%、それぞれ下落した。
不動産市場の低迷で資産が目減りした中国の家計は財布の紐を締め、企業の信頼感も低下して雇用市場を冷え込ませている。
このほか、1─8月の固定資産投資は0.5%増と、予想の1.4%増を下回った。1─7月は1.6%増だった。
1─8月の不動産投資は前年同期比12.9%減となった。1─7月は12%減だった。
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