- 2025/09/30 掲載
NY市場サマリー(29日)利下げ期待で米株続伸 政府閉鎖懸念でドル下落・金利低下
バノックバーン・フォレックスのチーフマーケットストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「今日は全体的に調整局面で、やや重いトーンだった。多くは明日深夜に政府が閉鎖されるかどうかにかかっている」と述べた。次の材料は3日発表の雇用統計になるはずだったが、もし政府が閉鎖されれば雇用統計は発表されず、不確実性が高まるためとした。
米労働省は29日、政府機関が予算切れにより閉鎖となった場合、10月3日に予定されている雇用統計など経済指標の発表を停止するほか、全ての業務を停止すると明らかにした。
午後の取引では、ドル/円は0.6%下落し148.61円となった。
ドル指数<=USD>は0.2%安の97.9。先週は0.5%上昇していた。
ユーロ/ドルは0.3%高の1.1731ドル。
トレーダーは現在、12月までにFRBが42ベーシスポイント(bp)、2026年末までに合計105bpの緩和を行うと織り込んでいる。これは9月中旬の水準より約25bp低い。
ドルは対スイスフランでは0.1%安の0.7973フラン。英ポンドは0.3%高の1.3436ドルとなった。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 国債利回りが低下した。市場では、週内にも米政府機関が閉鎖された場合、雇用統計など重要な経済指標の発表が遅れるとの懸念が高まっている。
米労働省は29日、政府機関が予算切れにより閉鎖となった場合、10月3日に予定されている雇用統計など経済指標の発表を停止するほか、全ての業務を停止すると明らかにした。米ホワイトハウス高官は27日、トランプ大統領が29日に与野党の議会指導部と会談するとしている。
エバーコアISI(ニューヨーク)の債券ストラテジスト、スタン・シップリー氏は「政府機関が閉鎖されれば、雇用統計は発表されず、その場合、民間の雇用関連指標がこれまで考えられていた以上に注目を集めることになる」と指摘。「閉鎖が2週間以上続けば、第4・四半期の国内総生産(GDP)成長率は0.3─0.5%ポイント程度押し下げられる可能性がある」との見方を示した。
今後の利下げの可能性を見極めるため、市場は連邦準備理事会(FRB)当局者の発言にも注目。米クリーブランド地区連銀のハマック総裁は、インフレリスクが雇用市場の脆弱化によるリスクを上回っており、物価上昇圧力を抑えるために制限的金融政策を維持する必要があるとの見方を示した。また、米セントルイス地区連銀のムサレム総裁は、追加利下げには前向きであるものの、FRBは慎重な姿勢を維持する必要があるとの見方を示した。
指標となる10年国債利回りは4.6ベーシスポイント(bp)低下の4.141%。
2年債利回りは1.4bp低下の3.633%。
利回り曲線はフラット化が進み、2年債と10年債の利回り格差は51bpとなった。
CMEのフェドウオッチによると、金利先物市場が織り込むFRBが10月の会合で25ベーシスポイント(bp)の利下げを行う確率は89.3%と、先週後半からわずかに上昇している。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 米国株式市場はナスダック総合主導で続伸して取引を終えた。米政府機関閉鎖の可能性を巡る不透明感や米連邦準備理事会(FRB)当局者のタカ派的な発言が出る中でも、人工知能(AI)成長への期待やFRBが利下げを継続するとの見方を背景にハイテク株が買われた。
今週の大きな焦点の一つはつなぎ予算を巡る与野党の対立で、予算失効により10月1日に一部政府機関が閉鎖に陥るリスクが高まっている。
米労働省は29日、政府機関閉鎖となった場合、10月3日に予定されている雇用統計など経済指標の発表を停止するほか、全ての業務を停止すると明らかにした。
ただ、248ベンチャーズのチーフストラテジスト、リンジー・ベル氏は、政府機関閉鎖の可能性は主要な材料にはなっていないと指摘。投資家は利下げ期待や住宅市場、個人消費といった最近の堅調な指標などプラス材料を重視しているとし、「仮に閉鎖が起こったとしても速やかに解決される可能性が高く、市場は企業収益や金融政策、AI投資といった重要な材料に再び焦点を置くことができる」と述べた。
クリーブランド地区連銀のハマック総裁は29日、インフレリスクが雇用市場の脆弱化によるリスクを上回っており、物価上昇圧力を抑えるためにFRBは制限的金融政策を維持する必要があるとの見方を示した。
セントルイス地区連銀のムサレム総裁は、追加利下げには前向きであるものの、FRBは慎重な姿勢を維持する必要があると指摘。目標の2%を上回る水準で高止まりしているインフレに対抗できる程度に金利を高く維持する必要があると述べた。
それでもCMEのフェドウオッチによると、市場は次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で25ベーシスポイント(bp)の利下げが行われる確率を約89%織り込んでいる。
S&P総合500種の主要11業種のうち9業種が上昇。一方、原油価格が3%超下落する中、エネルギー株は1.9%安となった。
半導体大手エヌビディアは2%、マイクロソフトは0.6%、それぞれ上昇した。 ゲームソフトウエア大手エレクトロニック・アーツ(EA)は4.5%高。 投資家グループが約550億ドルで買収し、非公開化することで合意した。
トランプ米大統領が大麻由来の成分CBD(カンナビジオール)の高齢者に対する医療効果を提唱したことを受け、キャノピー・グロース、クロノス・グループ、ティルレイ・ブランズなど大麻関連株も急伸した。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄が値下がり銘柄を1.38対1の比率で上回った。ナスダックでも1.19対1の比率で値上がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は179億1000万株。直近20営業日の平均は182億5000万株。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先 物相場は、米利下げ期待が広がる中、政府機関閉鎖へのリスク警戒感から安全資産としての金需要が一層高まり、3営業日続伸した。
中心限月12月物の清算値(終値に相当)は、前週末比46.20ドル(1.21%)高の1オンス=3855.20ドル。中心限月の清算値ベースで4営業日ぶりに最高値を更新した。
米連邦準備制度理事会(FRB)による年内の追加利下げ観測が根強く、利子の付かな い資産である金の支援要因となっている。一部のアナリストからは、半年以内に複数回の利下げが見込まれることから、金相場が一段と上昇する公算は大きく、3900ドル台も 視野に入っているとの声も聞かれた。
米連邦政府の2025年会計年度(24年10月?25年9月)末が30日に迫る中、 トランプ米大統領はこの日、議会の与野党指導部とつなぎ予算案を巡り協議する見通し。
つなぎ予算が成立しなければ、政府機関が一部閉鎖を余儀なくされるため、リスク警戒感 が根強く、安全な資産の逃避先として旺盛な金の需要が見られた。
ロシアによるウクライナ侵攻や中東情勢の緊迫化に伴う地政学リスクに加え、各国中央銀行が大量に購入していることも依然、長期的な金の上昇基調を後押し。新興国などの中 央銀行はドル離れを進めるとともに金の購入を拡大している。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、有力産油国による増産見通しを背景に売られ、反落した。
米国産標準油種WT Iの中心限月11月物の清算値(終値に相当)は、前週末比2.27ドル(3.45%) 安の1バレル=63.45ドル。12月物は2.13ドル安の63.01ドル。
石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」の有志8カ国は、10月5日のオンライン会合で11月の生産方針を決める。ロイターが関係者の話として報じたところによると、石油価格の上昇を受け市場シェア回復を狙う動きが強まり、少なくとも前月から日量13万7000バレル増やす公算が大きいという。これを受け、供給過剰への懸念が強まり、相場は売りが先行した。
イラク石油省は27日、北部クルド人自治区からパイプラインを通じたトルコへの原油輸出が約2年半ぶりに再開したと発表した。これにより、トルコのジェイハン港に向け、 日量18万-19万バレルの原油が輸送され、イラクからの原油輸出は数日以内に日量3 60万バレル近くに増加する見込みとなった。
一方、ロシアは28日、首都キーウを含むウクライナ各地に大 規模攻撃を実施した。2022年の侵攻開始以来、有数の規模の空爆となり、ロシア産原 油の供給混乱が意識され、下げ幅は限定的だった。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 148.58/148
.61
始値 148.65
高値 148.81
安値 148.49
ユーロ/ドル NY終値 1.1725/1.1
728
始値 1.1719
高値 1.1754
安値 1.1710
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 100*21 4.7085
.00 %
前営業日終値 99*24. 4.7650
00 %
10年債(指標銘柄) 17時05分 100*28 4.1406
.00 %
前営業日終値 100*16 4.1870
.00 %
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*16. 3.7356
00 %
前営業日終値 99*11. 3.7700
00 %
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*24. 3.6246
38 %
前営業日終値 99*23. 3.6470
00 %
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 46316.07 +68.78 +0.15
前営業日終値 46247.29
ナスダック総合 22591.15 +107.0 +0.48
9
前営業日終値 22484.07
S&P総合500種 6661.21 +17.51 +0.26
前営業日終値 6643.70
COMEX金 12月限 3855.2 +46.2
前営業日終値 3809.0
COMEX銀 12月限 4701.6 +36.0
前営業日終値 4665.6
北海ブレント 11月限 67.97 ‐2.16
前営業日終値 70.13
米WTI先物 11月限 63.45 ‐2.27
前営業日終値 65.72
CRB商品指数 302.5912 ‐2.441
0
前営業日終値 305.0322
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