• 2025/09/30 掲載

UBSの資本規制案緩和も、政府と銀行側が妥協探る

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Ariane Luthi Oliver Hirt

[チューリヒ 29日 ロイター] - スイス金融大手UBSの資本規制を巡り、スイス政府とUBSが水面下で妥協する姿勢を示していると事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。資本要件を双方が受け入れ可能な水準に下げて決着する可能性が出てきた。

スイス政府は6月、2023年のクレディ・スイスの経営破綻後に国内の銀行をより安定させるため、240億ドルの追加資本の保有を求める規制案を発表。UBSはこの規制案が世界的な競合他行に対して不利になると厳しく批判し、本社移転を含む一連の影響緩和策を検討している。

政府の考えに詳しいある関係者によると、政府は追加資本の要件水準を150億ドル程度にとどめる規制案ならば受け入れる可能性があるという。銀行側の考えを知る別の2人は、UBSがその水準であれば耐えられるとしている。

法案は来年、議会に提出され、最終的に規制内容が決まる。

スイス財務省は政府が規制案を支持しており、追加資本の要件水準を提案よりも低くする意思は示していないと述べた。

UBSは過剰な資本要件の水準引き上げに反対で、「的を絞った国際的に整合性のある」規制改正を支持すると述べた。

<海外部門が焦点>

追加資本の引き上げ部分の大半は、政府がUBSに海外子会社に対する出資比率を現在の60%から100%まで引き上げるよう求めている点に集中している。

より厳格な規制を求めるある議員は匿名を条件に、議会は最終的に中間点で折り合いを付け、出資比率を80%に抑える可能性があると語った。

政府の考えを知る関係者は80%の水準なら政府も受け入れ可能だろうと述べた。

数字を分析したアナリスト2人は80%の水準ならば約150億ドル程度に減少しそうだと述べた。

<AT1債の活用>

負担を軽減するもう1つの方法は、普通株式等Tier1(CET1)資本ではなく、いわゆるその他Tier1(AT1)債を用いて追加資本の一部を充当することを認める案だ。

UBSは6月末時点でAT1債を約190億ドル保有しており、これを組み込めば追加資本を許容できる水準まで抑えられると、ある関係者は語った。

議会審議のプロセス上、最終的な資本要件が明確になるのは早くても来年以降となる。

UBSは投資家から受け入れ可能な解決策を見いだすよう圧力を受けている。株価はここ数カ月間上昇しているが、今年は引き続きライバル他行に見劣りしている。

最大の株主の1つであるアクティビスト投資家セヴィアンは今月、規制案がたとえ緩和されたとしてもUBSは競争力のない状態に追い込まれるとして、UBSに本社を国外に移転するよう促した。

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