- 2025/09/30 掲載
スイス中銀、第2四半期の外貨購入が急増 米関税でフラン高に対応
[チューリヒ 30日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行)が30日発表した第2・四半期の外貨購入額は、50億6000万スイスフラン(約63億6000万ドル)相当と、3年超ぶりの高水準になった。
トランプ米大統領が4月に輸入品に対する関税を発表したことを受けたスイスフラン上昇圧力に対応したとみられる。過去5四半期の外貨購入額の合計は12億6000万フランにとどまっていた。
スイスフランは4月に対ドルで7%、対ユーロで2.2%急騰した。J・サフラ・サラシン銀行のエコノミスト、カーステン・ジュニウス氏は、トランプ氏が「相互関税」を発表したことで政治的な不確実性と市場のボラティリティーが大幅に高まり、スイスフランへの資金流入につながった可能性があると述べた。「スイス中銀は為替の急変動を抑制するために介入した可能性が高い」との見方を示した。
スイス中銀は29日、スイスと米国の両財務省と共同声明を発表し、自国企業が不当な優位性を得るためや、国際収支の調整を妨害する目的で為替レートを操作しないことを改めて確認した。
ING銀行のエコノミスト、シャルロット・ドモンペリエ氏は共同声明によってスイス中銀の姿勢が変わる可能性は低く、今後も為替介入を行う可能性が高いとの見方を示した。
「スイス中銀は現在2つの悪い選択肢に直面している。一つは米国の批判を浴びるさらなる為替介入を行うことで、もう一つは中銀が避けようとしている0%未満への利下げだ」と指摘した。
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