• 2025/10/03 掲載

当面は米経済など点検、見通し実現していけば利上げ=植田日銀総裁

ロイター

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Takahiko Wada Kentaro Sugiyama

[大阪市 3日 ロイター] - 日銀の植田和男総裁は3日、「当面は、米国を始めとする世界経済の動向、関税政策がわが国企業の収益や賃金・価格設定行動に与える影響、食料品価格を含めた物価動向などを点検していくことになる」とし、「経済・物価の中心的な見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」と改めて述べた。

植田総裁は米国の関税政策について、輸出企業の収益にマイナスの影響を及ぼしているものの、これまでのところ「日本経済全体に波及している様子はうかがわれない」と指摘。先行き、関税の影響で海外経済が減速し、日本経済の成長ペースもいったん鈍化するが、その後は、海外経済が緩やかに回復するもとで成長率は高まっていく、との見方を示した。

経済・物価の中心的見通しが実現する確度や、上振れ・下振れ双方のリスクを丹念に点検し、予断を持たずに適切に政策判断していく方針だとした。

植田総裁は大阪経済4団体共催懇談会で講演した。

1日発表の9月調査日銀短観については、日米関税交渉の合意で先行きの不透明感が後退したとの見方から、製造業の一部で改善し、「全体としても良好な水準となっている」と指摘した。その一方で、関税の影響が相対的に小さい非製造業では「全体として、高水準の収益が維持される可能性が高い」ものの、「輸出ウエートの大きい自動車などでは、今年度の収益計画は相応の減益見通し」になっていると述べた。

植田総裁は物価について、コメ価格上昇は「人々の消費量が突然増えたというよりも、供給サイドの一時的な要因によって生じている面が強いため、これが収まっていけば、消費者物価の押し上げ寄与は次第に低下していく」と述べた。

その上で、関税政策などの影響を受けつつも、成長率が高まるもとで人手不足感が強まり、中長期的な予想物価上昇率が上昇していくことから、基調的な物価上昇率と現実の物価上昇率はともに高まっていき、「展望リポートの見通し期間の後半には、2%の物価安定目標とおおむね整合的な水準に達する」との見通しを示した。

日銀は9月の金融政策決定会合で賛成多数で政策金利の現状維持を決めた。植田総裁は、関税政策は世界経済に不確実性をもたらし、15%という高い関税率が日本経済の下押し要因になると指摘。「まずは緩和的な金融環境を維持し、経済活動をしっかり支えていくことが大切」と考えたことから政策金利を据え置いたと説明した。

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