• 2025/10/17 掲載

NY市場サマリー(16日)米国株下落、ドル下落、2年債利回り3年超ぶり低水準

ロイター

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<為替> ニューヨーク外為市場では、米中の通商問題を巡る懸念が再燃していることを背景に、ドルが主要通貨に対し下落した。市場では米連邦準備理事会(FRB)を含む中央銀行当局者の発言も注目されている。

この日は日銀の清水誠一理事が国際金融協会(IIF)主催のセミナーで、プラス金利という新たな環境に日本経済がどう反応するか不透明なことを踏まえると金融政策の正常化は極めて慎重に進める必要があるとの考えを示した。これを受けドルは対円で下げ幅を拡大し、終盤の取引でドル/円は0.46%安の151.35円。

米中の通商問題を巡っては、 米政府高官が15日、中国によるレアアース(希土類)の輸出管理強化について世界のサプライチェーンへの「脅威」と非難。中国国営メディアは16日、中国にレアアース規制の緩和を求める米国に対し7項目の反論を発表した。

ストーンXの調査責任者、マット・ウェラー氏は 「米中の貿易摩擦が外国為替市場の最大のテーマになっている」と指摘。 「 トランプ米大統領と中国の習近平国家主席の 会談を月内に控え、中国は 圧力を強めているようにみえる」とし、「 こうした行動が交渉を優位に進めるための試みなのか、中国が本格的な『デカップリング(切り離し)』 に踏み切る用意があるのかという点が鍵になる」と述べた。

FRB当局者の間では、ウォラー理事が雇用情勢を示す指標がまちまちとなっていることを踏まえ、今月の連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げを支持すると発言。ミラン理事は他のFRB当局者よりも積極的な利下げの道筋をたどるべきとの考えを改めて表明した。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 米金融・債券市場では、国債利回りが低下、2年債利回りは3年超ぶりの低水準を記録した。米中貿易摩擦を巡る懸念を背景に、リスク資産への投資意欲は弱まり、安全資産とされる債券買いが優勢となった。

トランプ米大統領は10日、11月1日付で中国からの輸入品に100%の追加関税を課すと表明。これに対し、中国はレアアース(希土類)関連の加工技術への規制を拡大し、無許可で海外企業と協力することを禁止すると発表した。

利回りは取引序盤で横ばいで推移していたものの、米国株の下落に伴い債券に買いが入り、利回りは大幅に低下した。

LNWの最高投資責任者、ロン・アルバハリー氏は「足元でわれわれが目にしているのは『質への逃避』であり、それにより米債券価格が小幅に上昇している可能性がある」と述べた。

指標となる10年国債利回りは6.9ベーシスポイント(bp)低下の3.976%。一時、4月7日以来の低水準となる3.971%まで低下した。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 米国株式市場は下落して取引を終えた。米中貿易摩擦を巡る懸念が漂う中、地方銀行の弱さを示す兆候が重しとなった。

ザイオンズ・バンコープはカリフォルニア州の2件の融資で予想外の損失を計上したことを明らかにし、株価が13%急落。金利が依然として比較的高い状況下で、金融機関が経済の不確実性に対処する中、隠れた信用ストレスに対する懸念が高まった。

ウェスタン・アライアンスは融資先の1社に対して詐欺訴訟を開始したと発表し、10.8%下落した。米国では9月に自動車部品サプライヤー、ファースト・ブランズと自動車ディーラー、トライカラーが経営破綻している。

LNWのロン・アルバハリー最高投資責任者(CIO)は「クレジット市場には、ある程度の不安感あると思う。この仕事を長くやっていれば、クレジット市場の黄色信号を無視することはない」と語った。

S&P総合500種は最近、過去最高値を更新しており、投資家は先週エスカレートした米中の貿易摩擦の行方にも注目している。

半導体受託製造世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は16日、通期の売上高見通しを上方修正し、人工知能(AI)支出について強気な見通しを示した。

それでもAI関連の大型株は売られ、パランティアとメタ・プラットフォームズはともに0.8%安、電気自動車(EV)大手テスラは1.5%安となった。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米中貿易摩擦への懸念を背景とした「質への逃避」の旺盛な需要に加え、米利下げ観測を受けた買いが入り、5営業日続伸した。

中国が先週、レアアース(希土類)輸出規制強化措置を発表したことを受け、トランプ米大統領は100%対中追加関税を課す意向を表明。中国はこれに対し、報復措置を辞さ ない構えを示した。さらに米政府機関の閉鎖長期化の可能性も広がる中、投資家はリスク警戒姿勢を強め、質への逃避の金買いを加速させた。米長期金利の低下も利子の付かない資産である金の支援要因となり、相場は買い地合いを強めた。

米連邦準備理事会(FRB)高官らの発言を踏まえ、追加利下げ観測が高まってい ることも引き続き、金の買いを後押し。パウエルFRB議長は14日の講演内容がハト派トーンと受け止められた。ウォラーFRB理事は16日の講演で、労働市場が既に縮小しているとの見方を示した上で、今月末の連邦公開市場委員会(FOMC)で「0.25%利下げすべきだ」と明言した。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米ロ首脳が再会談するとの報を受け、ウクライナ停戦を意識した売りが台頭し、3日続落した。

トランプ米大統領は15日、インドのモディ首相が「ロシアから原油を買わないと私に約束した」と言明。同氏は、インドや中国によるロシア産原油購入がウクライナ侵攻を長期化させているとして非難、両国に対する圧力を強めてきた。インドにとり、ロシアは最大の原油調達先で、輸入総量の約3分の1を占める。今後は他の産油国への切り替えが進むとの思惑から、朝方にかけては買い戻しが先行した。

しかし、インド外務省は16日、トランプ氏の発言を明確に否定も肯定もしなかったため、相場は次第に上げ幅を縮小。米上院の10度目の予算案否決や米地銀のローン債権問題が伝わると、需要先細り懸念が強まり、マイナス圏に沈んだ。さらに午後、トランプ氏がSNSにロシアのプーチン大統領と電話会談したと投稿。ウクライナ停戦を巡り「大きな進展があった」とした上で、プーチン氏とハンガリーで再び会談することで合意したと明らかにした。これを受け、地政学的リスクをにらんだ買いもしぼみ、相場は一段安とな った。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 150.42/150.44

始値 151.17

高値 151.37

安値 150.22

ユーロ/ドル NY終値 1.1687/1.1688

始値 1.1655

高値 1.1694

安値 1.1647

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 102*21.00 4.5853%

前営業日終値 101*25.00 4.6390%

10年債(指標銘柄) 17時05分 102*07.00 3.9745%

前営業日終値 101*20.50 4.0450%

5年債(指標銘柄) 17時05分 100*11.25 3.5467%

前営業日終値 99*31.25 3.6300%

2年債(指標銘柄) 17時04分 100*04.63 3.4222%

前営業日終値 99*31.63 3.5060%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 45952.24 -301.07 -0.65

前営業日終値 46253.31

ナスダック総合 22562.54 -107.54 -0.47

前営業日終値 22670.08

S&P総合500種 6629.07 -41.99 -0.63

前営業日終値 6671.06

COMEX金 12月限 4304.6 +103.0

前営業日終値 4201.6

COMEX銀 12月限 5329.6 +191.8

前営業日終値 5137.8

北海ブレント 12月限 61.06 ‐0.85

前営業日終値 61.91

米WTI先物 11月限 57.46 ‐0.81

前営業日終値 58.27

CRB商品指数 293.8506 +0.2366

前営業日終値 293.6140

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