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- 2026/07/01 掲載
防衛省、自衛隊の指揮統制に米パランティアのAI「Maven Smart System」検討
米国防総省も本格導入、イラン・ウクライナの戦場でも実績
自衛隊の指揮統制にPalantirのAI「Maven Smart System」検討
防衛省は自衛隊の意思決定支援システムの高度化に向け、米パランティア・テクノロジーズが開発した軍事向けAI指揮統制プラットフォーム「Maven Smart System(MSS)」の導入を検討していと複数のメディアが報じた。国家安全保障戦略など安保三文書の改訂に伴い、自衛隊の作戦遂行にAIを本格的に組み込む計画の一環に位置づけられる。同システムは、衛星画像、ドローン映像、レーダー、センサー情報、兵站データ、人的情報などの独立した複数のデータソースを、リアルタイムで単一のインターフェースに統合する機能を持つ。従来は多数の分析官が半日以上を要していた標的特定や戦況分析の作業を1分未満に短縮し、指揮官の意思決定プロセスを根本から効率化する。システムの設計上、最終的な行動判断は人間が下す仕組みであり、AIは選択肢の提示と情報整理を担う。すべての判断プロセスは改ざん不可能なログとして記録され、事後的な説明責任を担保する機能も備える。
米国防総省は2026年3月、このMSSを正式に採用し、陸軍をはじめ海軍、空軍、宇宙軍、海兵隊の全軍に標準装備として展開する方針を決定している。日本側の検討背景には、イラクやウクライナの戦場での運用実績や評価、2026年後半に日本で開催予定の日米共同指揮所演習「ヤマ・サクラ(Yama Sakura)」がある。
この「ヤマ・サクラ」が米軍が採用するMSSにとって、太平洋地域における初めての大規模な運用機会となる。特に自衛隊の南西諸島をめぐる島嶼防衛シナリオなどを想定し、日米共同作戦におけるMSSの有効性を直接実証するための実験場と位置付けられている。
一方、国家の防衛の中枢である指揮統制システムを海外企業に依存することに対しては、情報主権の維持という観点から技術的・安全保障上の課題が存在する。防衛省および防衛装備庁は、2026年3月に国内AIスタートアップのSakana AIと委託研究契約を締結し、指揮統制の高度化に向けた国産基盤技術の開発に着手した。
また、国内企業による自衛隊向けシステムの構築事例も進むなど、国内の技術基盤育成も並行して推進している。現状では、高度な電波妨害やサイバー攻撃への耐性が実証されている米国のシステムを初期の基盤インフラとして導入し、そこに国産の特化型AIモデルを統合していくハイブリッド型の運用形態が、現実的なシステム設計として検討されている。
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