- 2025/10/17 掲載
仮想通貨規制、各国で「重大な格差」とリスク指摘=FSB
[パリ/ロンドン 16日 ロイター] - 20カ国・地域(G20)のリスク監視機関である金融安定理事会(FSB)は16日、急成長する暗号資産(仮想通貨)市場を規制する各国政府の取り組みには「重大な格差」が存在し、金融安定性を損なう可能性があると警告した。この日発表した検証結果の報告書で明らかにした。
FSBは暗号資産の規制を主流の金融分野と整合化させるため、2023年に規制に関して提言していた。それを踏まえた検証結果では一定の進展が見られるとしながらも、国際的な規制の実施の整合化は依然として「断片的で一貫性に欠け、暗号資産市場のグローバルな性質に対処するには不十分だ」と指摘した。
金融安定リスクは「現時点では限定的」と見なしながらも、ビットコインなどの暗号資産の価格が急騰して世界の暗号資産市場が過去1年間で2倍の4兆ドルに達したことでリスクが高まっていると指摘した。
FSBのジョン・シンドラー事務総長はロイターに対し、検証結果が示した懸念について「これは重大な意味を持つ」と強調。「これらの暗号資産は国境を越えた取引が非常に容易で、他の金融資産よりもはるかに簡単だ」と指摘した。
今回の検証は米国と欧州連合(EU)、香港、英国など計29の国・地域で暗号資産と、通貨に連動したステーブルコインを対象にした。ただ、米国はステーブルコイン分野だけを対象とし、世界最大のステーブルコイン発行体テザーの本拠地であるエルサルバドルは含まれなかった。
シンドラー氏は、エルサルバドルが入っていなくてもFSBが既にリスクを認識している以上、今回の検証結果は価値を持つと主張。一方で今後は管轄区域全体が対象に含まれるよう、国際協力と調整の改善が必要だとの考えを強調。「枠組みは誰でも構築できる一方で、協力し合い、助け合う姿勢が欠けている人々がいる場合、それは非常に困難な課題となる。なぜなら、これらの事象は国を問わないからだ」との見解を示した。
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