• 2025/10/21 掲載

QT打ち切り、早ければ来週FOMCで発表か 金融調節に悪影響の兆し

ロイター

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Michael S. Derby

[20日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は、早ければ28-29日の連邦公開市場委員会(FOMC)でバランスシート圧縮の取り組み(量的引き締め=QT)打ち切りを発表する――。複数の市場関係者がこうした見通しを示した。

最近の短期金融市場における「摩擦」により、FRBの金融調節に支障が生じる恐れが出てきたため、QTは潮時を迎えたというのが理由だ。

ライトソンICAPのアナリストチームは週末のノートに「FOMCは今月の会合で債券保有削減の中止(を決める)と予想している」と記した。短期金融市場の流動性が純粋にタイト化したかどうかは疑わしいが、最近の短期金利の急変動はFRBの金融政策正常化を次の段階に進めることを妥当とする十分な警告サインだと説明している。

エバーコアISIは20日、FRBが「年末の資金需給逼迫より前にQTを終了するため、今月のFOMCで打ち切り方針を打ち出すと考えている。実際の終了は発表から1-2カ月先になるかもしれない」と述べた。

ジェフリーズのアナリストチームは顧客に「われわれは今月のFOMCでFRBが完全にQTを停止すると見込んでいる」と伝えた。

これらの見方の背景には先週、一部金融機関による「スタンディング・レポ・ファシリティー(SRF)」の予想外の利用に伴って、主要短期金利が跳ね上がったという事態があった。SRFはFRBが導入した常設の短期資金供給制度だ。

また政策金利のフェデラルファンド(FF)金利が強含み、レポレートや担保付翌日物調達金利(SOFR)などが上昇しているのも市場の摩擦を示唆している。

FRBのパウエル議長は14日、他のFRB高官の発言を踏襲し、金融システムにはなお十分な流動性があると指摘しながらも、QTが「数カ月中に」終わる可能性に言及した。

ウォラー理事は16日、銀行の準備金残高に照らせば金融システムの流動性は適正水準に近づこうとしていると述べた。

QTは、コロナ禍に対応して市場に供給した大規模な流動性を巻き戻す目的で開始。FRBが保有債券の満期償還金を再投資しない形で進められ、2022年夏時点で9兆ドルに膨らんだバランスシートは足元で6兆6000億ドルに減少している。

ただ実際にどの程度の流動性が適正かを把握するのは難しく、これまで市場もQTがいつ終わるのか正確に予想することに苦戦を強いられている。

ゴールドマン・サックスは14日のパウエル氏の発言後、従来来年第1・四半期末としていたQT打ち切り発表の想定を来年1月のFOMCに修正し、2月に実行されると述べた。

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