• 2025/10/21 掲載

米地銀決算に警戒視線集まる、信用リスク巡る不安から

ロイター

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Manya Saini Pritam Biswas

[20日 ロイター] - 先週、一部の米地銀で詐欺行為を巡る訴訟や不良債権問題が浮上したため、投資家は同様の問題が業界全体に広がっていないかを見極めようと、銀行の決算発表に目を光らせている。

米地銀ザイオンズ・バンコープは先週、融資2件について多額の損失を計上すると発表して株価が急落したが、20日発表した第3・四半期決算は増益となり、時間外取引で株価が上昇した。

この他、これまでに四半期決算を発表した銀行持ち株会社HBTファイナンシャルは小幅増益、地銀ワシントン・トラスト・バンコープの利益は横ばいだった。

アナリストによると、2023年の地銀危機以来、投資家は不確実性への耐性が低下しており、個別の不良債権問題や不正行為であっても幅広い売りの引き金になる。

デットワイヤーのクレジット・リサーチ担当グローバル責任者、ティム・ハインズ氏は「金融緩和と透明性の低さが何年も続いたことで、投資家はリスクが本当はどこに潜んでいるのかと疑心暗鬼になっている。小規模な悪いサプライズでさえ、大規模な相場調整を引き起こしかねない」と語った。

モーニングスターDBRSのグローバル・ファイナンシャル・インスティテューションズ・レーティングスの信用格付け責任者、マイケル・ドリスコール氏は「銀行全体で信用の質を示す指標が悪化していたが、われわれの予想よりは良好に推移していた。これまで損失が少なかったため、大規模な融資問題が最近いくつも浮上したことで、幅広い悪化への懸念が持ち上がった」と説明した。

同氏は、23年の地銀破綻から得た教訓として「規模の大きな問題が浮上すると、過去よりも急スピードで銀行の資金調達に支障を来す可能性がある」と指摘した。

ただ、23年の地銀危機と同列に語るのは間違いだと言う関係者も多い。大手米銀も先週、最近のストレスは特異な現象に過ぎないとの見解を示した。

それでも投資家は、矢継ぎ早に問題が浮上しているのは、信用の質に深い亀裂が生じている証左ではないかと懸念している。

デットワイヤーのハインズ氏は「今後も『ゴキブリ』が次々と現れれば、市場全体でリスク許容度がリセットされ、バリュエーションを圧迫して金融環境をさらにタイト化させる可能性がある」と述べた。JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOは先週、米修理・交換用自動車部品メーカー、ファースト・ブランズの経営破綻などに触れ「ゴキブリが1匹いれば、恐らくもっといる」と発言していた。

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