- 2025/10/27 掲載
中国工業部門利益、9月は21.6%増 2カ月連続のプラス
Joe Cash
[北京 27日 ロイター] - 中国国家統計局が27日発表した9月の工業部門企業利益は前年比21.6%増で、8月の20.4%増から加速し、2023年11月以来最も高い伸びとなった。増加は2カ月連続。過剰生産能力の抑制と経済の均衡化を目指す政府の措置が効果を上げつつあることが示された。
1─9月は3.2%増。1─8月は0.9%増だった。
統計局によると、ハイテク製造業と設備製造業が年初来の伸びを押し上げた。前年の数値が低かったことに起因するベース効果もあったという。
野村のエコノミストは顧客向けメモで「ベース効果が薄れるため、10月の工業利益の伸びは鈍化する見通しだ」と記した。
エコノミスト・インテリジェンス・ユニットのシニアエコノミスト、XuTianchen氏は「全体的な需給バランスはやや改善し、設備稼働率が上昇、工業企業の利益率も向上した」と指摘。「生産者物価指数も小幅に回復し、経済のバランス回復へ向けた長い道のりの中で小さな一歩となった」と述べた。
国有企業の1─9月期利益は0.3%減少。民間企業は5.1%増、外資系企業は4.9%増だった。
アナリストによると、車載電池メーカー大手、寧徳時代新能源科技(CATL)など一部大企業の好業績が民間企業の利益を押し上げ、統計をゆがめている可能性がある。
一方で国有企業の多くは世界的な商品価格高騰の影響を強く受けており、人員削減によって利益率を引き上げるのは容易ではないという。
INGの中華圏担当チーフエコノミスト、リン・ソン氏は「米市場への依存度が高いセクターは引き続き関税の影響を受けている」と述べた。
工業部門利益統計は、主要事業の年間売上高が2000万元(281万ドル)以上の企業が対象。
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