- 2025/11/11 掲載
バフェット氏、株主へ「最後の手紙」 後任アベル氏を絶賛
[10日 ロイター] - 米投資会社バークシャー・ハサウェイを率いる著名投資家ウォーレン・バフェット氏は10日、年末で最高経営責任者(CEO)を退任するにあたり、株主への手紙を公開した。後任のグレッグ・アベル氏への全面的な支持を表明し、バークシャーの大株主にとどまる意向を示した。
CEOとしての株主への手紙は今回が最後になるとみられる。
バフェット氏はアベル氏が株主とのコミュニケーションを主導することになるため、自分は「静観する」と述べた。
また、バークシャー株の最近の下落を重要視しない姿勢を示し、アベル氏について、CEOにふさわしいと最初に考えたときの高い期待に「十二分に応えている」と称賛。単に投資家の信頼を得るための時間が必要なだけだと指摘した。
バフェット氏は手紙で、「CEO、経営コンサルタント、学者、政府のメンバーなど、あらゆる人物の中で、あなたや私の資産を任せるのにグレッグより優れた人物は思いつかない。彼は偉大な経営者であり、たゆまぬ努力家で、誠実なコミュニケーターだ。彼の長期在任を願っている」と述べた。
アベル氏はバークシャーの株主宛て年次書簡を執筆し、年次株主総会を指揮することになる。会長にとどまるバフェット氏は、感謝祭の祝日に際した株主とのコミュニケーションを続ける計画だ。
手紙の中でバフェット氏は、自身の子供たちが率いる財団への生前贈与を加速させる計画を発表した。
その上で、この変更は「バークシャーの見通しに関する私の見解の変化を反映したものではない」と強調した。
バフェット氏はまた、2023年に死去した長年の右腕だったチャーリー・マンガー氏に言及し、「バークシャーの株主が、チャーリーと私が長い間享受してきたグレッグへの安心感を得るまで」相当数のクラスA株を保有し続けたいと表明。
「そのレベルの信頼を得るのに長くはかからないだろう」とし、「私の子供たちはすでにグレッグを100%支持している。バークシャーの取締役たちも同様だ」と語った。
バークシャーの株価は、バフェット氏が突然退任を発表した5月上旬以来8%下落している。
投資家はバフェット氏の存在によってバークシャーの株価に織り込まれていた「バフェット・プレミアム」の多くが損なわれたと考えている。
バフェット氏は手紙の中で、バークシャーの株価は「気まぐれに」動くだろうが、「絶望することはない。米国は復活し、バークシャー株も復活する」と述べた。
ただ、バークシャーの事業は全体として「平均をやや上回る見通し」であり、投資家はバークシャーが小規模だったころのように市場を圧倒的に上回ることを期待すべきではないと指摘した。
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