• 2025/11/20 掲載

実質金利「明らかに低い」、金利の正常化が必要=小枝日銀委員

ロイター

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Takahiko Wada

[新潟市 20日 ロイター] - 日銀の小枝淳子審議委員は20日、新潟県金融経済懇談会であいさつし、実質金利は「他国と比べても明らかに低い」とし、実質金利を均衡状態に戻していく金利の正常化を進めることが「将来に意図せざるゆがみをもたらさないためにも必要だ」と述べた。利上げ判断で重要になる基調的な物価上昇率は、総合的にみて「2%ぐらいになってきている」とも指摘した。

金融政策運営については、展望リポートを直接引用して「『経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく』ことは必要だ」としたが、実質金利の低さに言及し、「仮に実質金利のマイナス幅が少し縮んだとしても、緩和的な環境のもとで消費や投資は刺激され続ける可能性が高い」と指摘した。

基調的な物価上昇率を巡る小枝委員の発言は、植田和男総裁が13日の参院予算委員会で述べた「2%に向けて緩やかに上昇している」との発言より強めのトーンとなった。小枝委員は、物価目標の達成に当たっては、基調的な物価上昇率の定着度合いを確認することも重要だと話した。

小枝委員は、足元の物価は「全体としては強め」と指摘。コメの価格高騰について、関連品目の価格にも影響を与えるほか、消費者のインフレ期待を高めて他の食料品などの価格設定が変わることもあるとして「物価に対する二次的な影響はあり得る」と述べた。

植田総裁は利上げ再開の判断に当たり、来年の春闘の「初動のモメンタム」が重要になると述べている。小枝委員は、毎年春の賃金改定は重要だが「多面的な賃金動向にも注目することが望ましい」と指摘。最低賃金や冬のボーナスのほか、転職の前後で賃金がどの程度改善しているかもしっかり見ていく必要がある、とした。

日銀のバランスシート縮小については、予見可能な形で粛々と正常化を進めるとともに、適切なバランスシートの大きさやその構成は「資産・負債の両面から議論していく必要がある」と述べた。

小枝委員が懇談会であいさつするのは、今年3月の就任以来初めて。

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