- 2025/11/21 掲載
政府、経済対策を閣議決定 高市首相「財政の持続可能性に十分配慮」
Kentaro Sugiyama
[東京 21日 ロイター] - 政府は21日、新たな総合経済対策を閣議決定した。大型減税の効果を含めて21.3兆円規模となる。高市早苗首相は財源について、税収の上振れ分などを活用しても足りない部分は国債発行で賄うものの、「当初予算と補正予算を合わせた補正後の国債発行額は昨年度を下回る見込みで、財政の持続可能性にも十分配慮したものとなっている」と強調した。
高市首相は会見で、国民へ物価高対策を迅速に届けることを第一としつつ、危機管理投資、成長投資の戦略分野への頭出しとなる予算を措置すると説明。強い経済・外交、安全保障の実現に対して「高市政権として一定の方向性を出すことができた」と語った。
喫緊の課題と位置付ける物価高対応として、エネルギーコストの負担を軽減する。いわゆる暫定税率について、ガソリン税は12月31日、軽油引取税は来年4月1日に廃止すると表明。来年1月から3月にかけて電気・ガス代を支援し、3カ月で1世帯7000円程度の負担を軽減するとした。
経済対策の財源の裏付けとなる2025年度補正予算案の一般会計歳出は17.7兆円で、石破茂前政権が策定した経済対策(13.9兆円)を上回った。
金融市場では、高市政権の経済対策により財政が悪化するとの懸念から長期金利が上昇、為替は円安傾向が続いている。高市首相は、政権が掲げる「責任ある積極財政」は「先を見据えた財政政策であり、決していたずらに、拡張的に規模を追求するものではない」と指摘。成長率を高めると同時に、政府債務残高の対国内総生産(GDP)比を引き下げて財政の持続可能性を実現し、「マーケットからの信任を確保する」と述べた。
首相はこの後、20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に出席するため南アフリカのヨハネスブルクを訪問する。高市首相の国会答弁に中国が強く反発を続ける中、会議に出席する李強首相と接触する機会があるか注目されている。
高市首相は日中関係について、先月末の首脳会談で習近平主席と戦略的互恵関係の推進と建設的・安定的な関係の構築という大きな方向性を確認しており、「こうした考えに一切変わりない」と語った。
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