- 2025/11/27 掲載
アサヒGHD、12月期決算発表を延期 来年2月までに物流正常化目指す
[東京 27日 ロイター] - アサヒグループホールディングスは27日、サイバー攻撃で発生したシステム障害の影響で2025年12月期の決算発表を延期すると発表した。短信の開示が期末後50日を超える見込みになったとしている。全商品の出荷再開には至らないものの、来年2月までに物流業務の正常化を目指す。
同社はこの日、9月末にサイバー攻撃を受けて以降初めて記者会見を開いた。製品の受注や出荷を通常通りにできない状況が続くなどしており、勝木敦志社長は「責任を痛感している。多くの顧客、関係先に多大な迷惑をかけていることをおわびする」と謝罪した。犯行声明を出しているランサムウエア(身代金要求型ウイルス)グループ「Qilin」とは接触しておらず、身代金は支払っていないとした。
今月27日までに顧客の個人情報152.5万件、関係先11.4万件、退職者を含む従業員とその家族27.5万件が漏えいした恐れがあるという。データセンターを通じて、従業員に貸与しているパソコン端末のデータが流出したことが分かったという。個人情報がインターネット上に公開された事実は確認されていない。
再発防止策としては、セキュリティー監視の仕組みを見直し、攻撃検知の制度を向上させるとした。万一の際にも迅速に復旧できるよう、バックアップ戦略や事業継続計画も再設計する。
システム障害の影響で、傘下のアサヒビールの10月売上高は概算で前年比10%弱減少した。アサヒ飲料は同40%程度の減少、アサヒグループ食品も同30%弱の減少となった。
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