- 2026/01/09 掲載
アングル:トランプ関税判決に警戒感、利益確定の口実か 合憲なら影響限定的
[東京 9日 ロイター] - 米最高裁が近くトランプ関税の合憲性を巡る判決を下す見通しとなり、市場では高値圏にある日米の株価が不安定化するリスクが警戒されている。国内の輸出企業を中心に関税の影響が業績の重しとなってきた側面があるだけに、違憲判決なら株価はプラスの反応が意識されるが、その後のトランプ氏の出方は読みにくく、曲折も控えていそうだ。
9日の東京市場で日経平均は一時800円高となっているが、前日に決算を発表したファーストリテイリングが1銘柄で600円近く指数を押し上げており、全体としては米雇用統計やトランプ関税の合憲性を巡る判決を見極めたいムードもある。
米連邦最高裁は6日、これまでに弁論が行われた案件について、9日に予定されている審理で判決を下す可能性があるとウェブサイトで示唆した。最高裁がどの訴訟について判決を下す予定か事前に公表することはなく、9日に判断を示す案件も不明だが、市場ではトランプ関税に関する何らかの判断が示されるとの見方が広がっている。
トランプ関税は一審、二審で違憲とされ、昨年11月の口頭弁論では保守派、リベラル派の判事がいずれも関税措置の合法性に懐疑的な見方を示しており、政権敗訴の見方が強まった。
<違憲でも残る不透明感>
トランプ関税は、自動車などの輸出産業を中心に日本企業の今期業績の重しになってきた。トヨタ自動車の場合、今期の連結営業利益(国際会計基準)で1兆2200億円の下押し圧力を見込んでおり、市場での織り込みも進んだ。
仮に関税の合法性が覆り、関税上乗せ分が今後かからなくなったり、これまでの税還付があるようなら業績の重しは和らぎ得る。「関税が元に戻る分に関しては、いったん(株価は)好反応になるのではないか」と三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストはみている。
もっとも、その場合でも「(好反応の)持続力はわからない」と市川氏は話す。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大西耕平上席投資戦略研究員は「政策の不確実性が高まり、リスクオフになる可能性がある」とみている。
違憲となれば「トランプ氏が別のロジックを持ち出してくるかもしれない」と大和証券の坪井裕豪チーフストラテジストは話す。日米の株価指数は今週、相次いで高値を更新し、その後も高値圏にある。トランプ氏の出方が読みにくい中で「利益確定売りの口実にされやすい」(大西氏)とみられている。
赤沢亮正経済産業相は7日、最高裁の違憲判決が出ても「米国政府はそれ以外の権限を探してでも同じように関税を課していこうということになると思う」と指摘。違憲判決を受け、直ちに米国に払った関税が戻ってくる保証はないと語っている。
合憲の場合、米関税による日本企業への影響が悪化するとは想定されておらず、株価への影響は限定的とみられている。仮に違憲となって不透明感を嫌気した株売りが優勢になる場合でも「米株へのつれ安程度の短期的な下げで、調整は深まらないだろう」と大和証券の坪井氏は話している。
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