- 2026/01/14 掲載
金利ある世界、地銀の勝ち筋は?=業態超え連携、再編加速も
「金利のある世界」の到来で金融機関による預金の獲得競争が激しさを増す中、地方銀行は業界再編も視野に業態を超えた連携を探り始めた。金融庁は「地域金融力強化プラン」で信用金庫などとの合併について交付金を増額。地銀に出資した投資ファンドが経営統合に向けた触媒となるケースも出てきた。北洋銀行の津山博恒頭取と滋賀銀行の久保田真也頭取に勝ち筋を聞いた。
◇信金との共同店舗視野=統合「選択肢としてあり得る」―津山北洋銀頭取
北洋銀行の津山博恒頭取は13日までに時事通信のインタビューに応じた。津山氏は人口減少が続く北海道の地方部でサービスを維持するには「信用金庫とのアライアンス(連携)が一つの柱になる」と指摘した上で、共同店舗の設置を視野に入れていることを明らかにした。信金との統合については「今、目の前にあるわけではない」としながらも「選択肢としてはあり得る」と語った。
同行は現在、信金の店舗内に共同窓口やATMを設置するなど、連携強化を進めている。津山氏は「金融の仕組みは道内にしっかり残していかないといけない」と強調。特に、行員を確保し切れない地方部でさらに連携を深める考えを示し、「将来的には共同店舗の運営も必要になってくる」と話した。
2027年度に北海道千歳市で先端半導体の量産開始を目指すラピダスについては、出資も視野に同社と協議を続けており、「できる範囲で最大限応援したい」と語った。先端半導体の活用が見込まれる自動運転や遠隔医療を念頭に「道内で需要が生まれる可能性はたくさんある」と期待感を示した。
同行は30年度までに道内の半導体分野へ3000億円の投融資を行う計画。昨年9月末時点で既に約444億円を投じたほか、道内に進出した半導体関連企業と地元事業者とのマッチングも始めた。津山氏は「昨年9月末までに52社の事業者を紹介した。地元企業の参入を支援しつつ目標に向けて取り組みを進めたい」と意気込んだ。
◇地銀再編「人ごとではない」=人口減などで危機感―久保田滋賀銀頭取
滋賀銀行の久保田真也頭取は13日までに時事通信のインタビューに応じ、地方銀行で再編に向けた動きが活発化していることについて「人ごととは思っていない」との認識を示した。人口減少や東京一極集中を背景に、「今の銀行の数のままでいけるのかという危機感は(地域金融機関が)みんな持っている」と語り、将来の再編も選択肢として排除しない姿勢を見せた。
「金利のある世界」の到来で金融機関の預金獲得競争などが激化する中、久保田氏は、貸出先の縮小や新たな金融サービス事業者の参入で「非常に難しい世界になってくる」と指摘。その上で「業態を超えてやっていかなければいけない」と述べ、異業種の企業や自治体との連携を強め、地域の課題解決や投資拡大を目指す考えを示した。
滋賀銀は、地銀に特化した投資ファンド「ありあけキャピタル」(東京)から5%超の出資を受けている。同ファンドは昨年、千葉興業銀行株を千葉銀行に売却し、両行による統合検討の環境をつくった。久保田氏は政策保有株削減の提言など「広い話はもらっている」とした上で、「企業価値向上につながる話は前向きに捉えていく」と、対話を重ねていく意向を明かした。
【時事通信社】 〔写真説明〕インタビューに応じる北洋銀行の津山博恒頭取=2025年12月、札幌市中央区 〔写真説明〕インタビューに答える滋賀銀行の久保田真也頭取=2025年11月、大津市
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