- 2026/02/24 掲載
FRBはAI導入に伴う構造的な失業率上昇を相殺できず=アトランタ地区連銀総裁
[ワシントン 24日 ロイター] - 米アトランタ地区連銀のボスティック総裁(59)はロイターとのインタビューで、企業が業務効率化のために人工知能(AI)ツールを導入するにつれ、米国は構造的に失業率が上昇する時期にあるかもしれず、その上昇は連邦準備理事会(FRB)の利下げで必ずしも相殺できるとは限らないとの見方を示した。
ボスティック氏は2月28日の任期満了をもって地区連銀総裁を退任する。
同氏は「雇用主が以前ほど多くの労働者を必要としない変革期に入っている可能性がある」とし、FRBがインフレと雇用の二重目標を管理する目的で完全雇用と見なす失業率の上昇を指摘した。
その上で、利下げによって人為的に失業率を引き下げるのではなく、「構造変化が起きているのであれば、その事実を真摯に受け止め、それに応じて金利を設定する必要がある」と述べた。「中銀当局者や政策当局者にとって、今は非常に厳しい時期だ。構造変化によって、同じ数字が経済の現状について異なるメッセージを送ってしまうからだ」と説明した。
ボスティック氏はこうした見解をもとに金利を大幅に引き下げる必要はないと主張しているが、次期FRB議長に指名されたウォーシュ元FRB理事は対照的に、AI主導の生産性向上によって、より少ない資源でより多くのものを生産できるようになり、インフレ圧力が減少するため、今すぐ金利を引き下げることができると主張している。
ボスティック氏や他のFRB当局者は、生産性の変化がもし持続するならば、それが具体的にどのように、どのくらいの期間にわたって展開するのかについて疑問を呈している。ボスティック氏は、生産性の高い企業はより少ない従業員数で運営できる可能性があると指摘しており、それによってFRBが2%のインフレ目標と一致するとみている、いわゆる自然失業率が変わる可能性がある。
FRB当局者は現在、中位の長期失業率を4.2%と見込んでいる。1月の失業率は4.3%だった。
FRBは景気循環の盛衰から生じる失業率の変化には対応できるが、労働需要の構造的変化への対応は、失業手当や再訓練プログラムなどをカバーする財政政策の領域となる。
ボスティック氏は「構造的な性質を持つ短期的な問題に対処することは、FRBの責務の双方が間違った方向に進んでいるように見える、困難な状況に陥るリスクをもたらす可能性がある」と述べた。同氏はインフレ抑制を継続する必要性を主張している。
ボスティック氏はまた、FRBが経済の「ニッチな部分」に引き続き焦点を当てていることが、政策担当者らが昨年3回の利下げに踏み切った原因だと感じていると述べた。利下げは労働市場の潜在的な弱体化を明確に意識したもので、特に新卒者やアフリカ系米国人の失業率などに兆候が見られたと語った。
トランプ政権がパウエルFRB議長に対する刑事捜査に着手するなどFRBへの圧力を強める中、ボスティック氏は、少なくとも金融政策の策定においてはFRBを独立機関として維持する枠組みが守られることを期待していると述べた。
同氏はまた、次期FRB議長となるウォーシュ氏もFRBスタッフや連銀総裁、他国の中銀総裁との間で信頼関係を築く必要があると語った。
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