- 2026/03/03 掲載
アングル:ドバイなど中東ハブ空港、紛争拡大で「視界不良」
[ドバイ/パリ 2日 ロイター] - 中東紛争の激化に伴いペルシャ湾岸の空域が事実上閉鎖され、その影響が世界の航空ネットワーク全体に急速に広がったことを受け、世界の航空旅客輸送がアラブ首長国連邦(UAE)のドバイを筆頭とする少数のハブ(拠点)空港にいかに大きく依存しているかが浮き彫りとなった。
ペルシャ湾岸地域の貿易中心地であるドバイは40年ほど前、エミレーツ航空を設立して、その地理的優位性を活用する戦略を開始。エミレーツ航空は当初、ジェット機2機で2路線を運航するのみだったが、ドバイ国際空港は現在、110カ国との間で年間45万4000便が就航する世界的航空ネットワークの中心に発展した。
だが米国とイスラエルが2月28日にイランを攻撃したことで、ドバイでも空港が攻撃されるなど緊張が走った。
ドバイは現在、運航ネットワークを継ぎ合わせ、行き場を失った何万人もの旅客を輸送するという重要な任務を負っている。
大半のアナリストはペルシャ湾岸のハブ空港について、中東での紛争が長期化しなければ、運航ネットワークの勢いと力によって持ち直すだろうと話す。だがドバイ、アブダビ、ドーハの3大ハブが全て閉鎖されるという前代未聞の事態が、トルコやサウジアラビア、インドとの競争が激化している状況下で起きた。
英国を拠点とする旅行コンサルタント、ポール・チャールズ氏は「これが一時的な問題であることに疑いの余地はない。これらの航空拠点は過去にも大きな問題に見舞われたが、世界的なハブとしての重要性によって素早く回復した。短期的には重大な不確実性が存在するとしても、早期に持ち直すだろう」と述べた。
だが、回復はそれほど確信できないとの見方もある。航空業界全体は新型コロナウイルスのパンデミック期間に受けた打撃からは、需要が供給を上回ったおかげで持ち直すことができた。だが今回は需要が危うくなっているのだ。
航空アドバイザーのバートランド・グラボウスキー氏は「旅客はドバイやドーハを経由する便よりも直行便の方を検討しそうだ。こうしたハブでの輸送全体が打撃を被る公算が大きい」と語った。
それでも中東のハブ空港にとって、地理的、経済的な優位性は失われていない。
ドバイ空港のポール・グリフィス最高経営責任者(CEO)は「世界人口の3分の1は飛行時間4時間以内、3分の2は8時間以内の場所に居住している」と指摘。「われわれは、ハブがもたらす信じ難いほどの集約力を見てきた」と話した。
それでも湾岸3大ハブ空港に対する脅威が醸成されつつある。航空アナリストのジョン・ストリックランド氏によると、短期的にはトルコ航空が紛争地域から外れた独自の巨大ハブを通じて最大の勝者となる可能性がある。
サウジアラビアやインドも競争に参入しており、アジアの航空会社も旅客を獲得している。
かつては中東系航空会社に追い風を吹かせてきた航空機設計の進展も、現在は逆風になりつつある。エアバスは先週、カンタス航空によるシドニー・ロンドン間の直行便計画を支援する超長距離型A350の2機目の生産を開始した。
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