- 2026/03/04 掲載
航空・観光業界、中東紛争への対応に奔走 2万便超が欠航
[シドニー/ロンドン/シカゴ 3日 ロイター] - 航空業界と旅行業界は米国とイスラエルの対イラン攻撃で激化した中東紛争による影響への対応に奔走している。中東の主要空港ではここ数日で2万便超が欠航し、各国政府は中東に取り残された自国民を帰国させる対応に追われている。
イスラエルと米国によるイラン攻撃の開始から4日目となった3日時点で、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイを含む中東の主要ハブ(拠点)空港は依然として事実上閉鎖もしくは運航が厳しく制限された状態が続き、数万人の旅客が足止めを食らったままとなっている。飛行追跡サービスのフライトレーダー24によると、UAEのドバイと首都アブダビ、カタールの首都ドーハを含む主要7空港では攻撃開始後に計約2万1300便が欠航となった。
対イラン攻撃によって広範囲にわたる地域の旅行が混乱。欧州とアジアを結ぶ長距離路線は既に限られている航行可能な空域が一段と狭まり、世界の航空会社に運航上厄介な問題を突き付けている。
中東に取り残された旅行者は、本国行きの限られた航空便の座席確保に殺到している。エミレーツ航空、フライドバイ、エティハド航空は2日以降、限られた便数で運航を続けており、大半は足止めを食らった旅客を本国に運ぶ目的だ。
旅行コンサルティング会社PCエージェンシーのポール・チャールズ最高経営責任者(CEO)は「新型コロナウイルスのパンデミック以降で最大の(空港)閉鎖だ」と指摘。旅客の混乱に加え、航空貨物への影響は「数十億ドル」規模に上ると付け加えた。
<緊急避難>
米国務省の高官は3日、米政府は中東から自国民を避難させるため軍用機とチャーター機を確保する取り組みを進めていると明らかにした。中東に残っている約3000人の米国民と連絡が取れたという。
デルタ航空は3日、紛争を理由に米ニューヨークとテルアビブを結ぶ便を22日まで運休すると発表した。
中東の航空会社を代替する便への需要は急増しており、香港―ロンドンといった経路の便ではチケット価格が跳ね上がっている。紛争が長期化すれば、中東の観光業には数十億ドルの損失が生じるとアナリストは推計している。
<航空株下落>
世界各国の株式市場では3日、航空株が下落した。JPモルガンのアジア地区インフラ・工業・輸送調査部門を率いるカレン・リー氏は、航空会社の間でも運航と財務への影響に大きなばらつきがあると指摘。「航空各社の中では、中東情勢による実際の影響を形成する要素となるヘッジ戦略、影響を受ける航空貨物、経路変更能力に重大な差異がある」と述べた。
紛争が拡大する中、石油価格は急騰。原油価格は年初来で約30%値上がりしており、ジェット燃料価格を押し上げて航空会社の収益を圧迫する要因となっている。
米株式市場では3日、航空株の大半が下落。サウスウエスト航空は約1%安、アラスカ航空は約2%下げた。
ライアンエアのマイケル・オライリーCEOはロイターに対し、同社は燃料価格を向こう12カ月間にわたり1バレル当たり約67ドルでヘッジしており、最近の相場変動は業績に影響しないと話した。同社株は3日、2.2%下落した。
オーストラリアのカンタス航空のベネッサ・ハドソンCEOは、同社は燃料価格を「非常にうまく」ヘッジしているが、最近の石油価格急騰は航空業界に重大な影響をもたらすと語った。同社株は1.8%値下がりした。
最新ニュースのおすすめコンテンツ
PR
PR
PR