- 2026/03/05 掲載
イラン紛争、ユーロ圏銀行に間接リスク=ECB監督当局者
[フランクフルト 5日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)の銀行監督当局者は5日、ロイターのインタビューで、イランを巡る紛争がユーロ圏銀行に与える直接的な影響は限定的だとする一方、経済の弱体化が銀行のバランスシートに間接的に影響を及ぼすリスクの方が大きいとの見方を示した。
ECBの銀行監督幹部ペドロ・マシャド氏は、中東情勢の緊張から米国のプライベート市場の不安定化まで幅広い問題について言及し、複雑な証券化取引の拡大にも注意が必要だと警告した。
同氏によると、ユーロ圏の銀行が保有するイランやイスラエル関連の資産への直接的なエクスポージャーは小さく、銀行の損失吸収力に比べても限定的。貸出などの資産では中核自己資本の0.7%、銀行債などの負債では0.6%にとどまる。
「近隣諸国を含めても、エクスポージャーはかなり限定的で、監督対象金融機関の総資産の1%弱に過ぎない」と述べた。
ただ同氏は、より重大なリスクはエネルギー価格の再上昇がインフレを押し上げ、最終的に景気減速を招く可能性にあると指摘。「長期的にエネルギー価格が上昇すれば、インフレが急騰し、景気後退につながる可能性がある」と述べた。
さらに「それは経済活動への影響を通じて失業率に反映される可能性があり、失業率は銀行にとって非常に重要な指標だ」と語った。
同氏は、米国のプライベートクレジット市場の混乱については、欧州銀行への波及の証拠は「特に見られない」と指摘。
一方でECBは、銀行がデリバティブや保証を使って投資家にポートフォリオのリスクを移転する「シンセティック(合成型)証券化」への監視を強めている。
監督当局は、こうした取引のリスクが間接的な資金供給ルートを通じて銀行システムに再び戻ってくる可能性がないかを確認したい考えだ。
マシャド氏は「これらの取引について個別の情報を収集し、取引規模だけでなく、裏口から生じる可能性のあるエクスポージャーも含めて、より包括的な状況を把握したい」と述べた。
合成型のリスク移転取引は規制変更を背景に急増しており、2025年前半の取引額は前年同期比85%増となった。
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