- 2020/09/10 掲載
米CFTCの諮問委、気候変動は金融システム上のリスクと指摘
諮問委員会はCFTCのロスティン・ベナム委員(民主党)が昨年設置した。
196ページにおよぶ報告書は「気候変動の物理的な影響は既に米国に及んでおり、(地球温暖化ガス)実質排出量ゼロへの移行も経済の多くの部門に影響を与える可能性がある」と分析。
「物理的および移行のリスクはどちらも、システミックならびにサブシステム上の金融ショックをもたらす可能性があり、金融市場や金融機関の正常な機能に前例のない混乱を来しかねない」と警告した。
諮問委員会の35人のメンバーにはゴールドマン・サックス
米石油大手コノコフィリップスのリスク・規制問題責任者、ダニエル・ポール氏はCFTCのウェブサイトに掲載された書簡で、報告書の見解は「あらゆる面でコノコフィリップスの見解を反映しているわけでは必ずしもない」とした。報告書に盛り込まれた免責条項は、CFTCや連邦政府の見解を必ずしも反映していないとしている。
報告書は、山火事の多発や強力なハリケーンのリスクに関する認識の変化が資産価格の急落を招き、社会や市場に影響が広がる可能性があると指摘。
新型コロナウイルス危機で家計の富や政府予算、企業の財務が損なわれたため、経済はかつてないほど脆弱になっており、「システミックな影響を伴う全体的なショックが起きる確率が高まっている」と警告した。
その上で、報告書は最優先課題として炭素排出への価格付けを提言。価格を高水準に設定して二酸化炭素(CO2)を排出する燃料の使用削減を促すべきとした。
また、銀行に気候関連の金融リスクへの対応を義務付け、上場企業には排出量開示を求めることなどを提案した。
FRBに対しては、社債や地方債などに関するバランスシート管理や資産購入に気候リスクを織り込むよう求めた。
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