• 2021/01/03 掲載

米、経済再生へ緩和継続=「格差」「気候変動」も課題に―FRB

時事通信社

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【ワシントン時事】米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)は、2021年も金融緩和策を継続する方針だ。新型コロナウイルス危機で深い傷を負った後を受け、バイデン次期政権の財政政策と連携し、日本を含む世界の景気に大きく影響する米経済の再生を急ぐ。バイデン氏が重視する人種間の経済格差や気候変動問題に向き合う姿勢も問われそうだ。

景気は緩やかに改善し、失業率は20年11月に6.7%まで下がったものの、コロナ流行前の2月(3.5%)を大きく上回ったまま。今なお1000万人近くが失業し、経済成長を抑える要因となっている。サマーズ元財務長官は「完全雇用の実現が最善の政策だ」と訴える。

FRBは12月、事実上のゼロ金利政策が少なくとも23年末まで続く想定を示した。米国債などを買い入れて市場に資金を大量供給する量的緩和策は、「雇用最大化と物価安定の目標へ一段と大きく前進するまで」維持すると表明。長期緩和を約束し、景気を支える姿勢を鮮明にした。

21年の経済成長率は4.2%と予想。パウエル議長は、コロナワクチンの実用化で「トンネルの先に光が見える」と語り、21年後半に景気回復が強まるとみている。ようやく成立した総額9000億ドル(約93兆円)規模の追加経済対策も景気と雇用にとってプラス要素だ。

ただ、感染再拡大で経済の柱となる個人消費に弱さが目立ち始め、「今後数カ月が試練になる」と警戒。「より強力な金融緩和が必要な景気になれば対応の用意はできている」とも述べ、米国債の買い入れペース拡大を含め、追加緩和を辞さない構えだ。

一方、バイデン新政権は人種間の経済格差問題に取り組む。黒人の失業率は白人を大きく上回る状況が固定化している。次期財務長官にはパウエル議長が理事時代に仕えたイエレン前議長が就く見込みで、雇用回復を通じた格差縮小に向けて財政政策と金融政策の連携が進みそうだ。

気候変動問題については「金融安定に対する重大リスク」(ブレイナード理事)と捉えている。環境や経済にとどまらず、金融にも深刻な影響を与える課題として、積極的な対応を取る可能性がある。

【時事通信社】

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