- 2021/02/26 掲載
オリンパス、イスラエル医療機器会社Medi-Tate社の買収に向けたコールオプション行使
※1 取得価額は、出資額、株式の取得価額、条件付対価を含む。
Medi-Tate社は、BPH向けの低侵襲治療デバイスの研究開発、製造を行う医療機器メーカーです。同社の製品「iTind(アイティンド)」は北米、およびCE認証に基づき欧州の一部地域で販売されています。当社は2018年11月からMedi-Tate社への出資を開始し、出資時の契約には同社の製品を販売する権利と、同社の株式を100%取得できる権利(コールオプション)が含まれていました。
オリンパスは、2019年11月に発表した経営戦略のひとつとして、「治療機器事業への注力と拡大」を掲げ、同事業において特に消化器科、泌尿器科、呼吸器科の3つを注力分野としています。Medi-Tate社への出資および買収の決断はまさにこの戦略に基づいています。iTindの2年以上の販売経験を通じ、本製品の医学的価値とBPH治療における将来性が高いことを確信すると同時に、当社の低侵襲治療向けポートフォリオの拡充に貢献しうるものであると判断したため、コールオプションを行使し、買収交渉を開始することを決定しました。
BPHは高齢男性に多く見られ、下部尿路症状(LUTS)の原因として最も一般的な疾患です。米国泌尿器科学会は、男性の10人に8人が、一生に一度はBPHを発症するとしており、また、この割合は年齢が高くなるほど大きくなっていくとしています(※2)。高齢化社会に伴い、今後BPH治療へのニーズも拡大していくことが予想されます。BPHの一般的な治療方法は、投薬治療と外科的治療で、オリンパスは外科的治療のひとつである経尿道的前立腺切除術(TURP)に用いるデバイス(レゼクトスコープ、切除用電極など)を開発、製造、販売しています。一方で近年は、入院を要する外科的治療だけではなく、クリニックでの日帰り治療を可能にするデバイスが現れ、選択肢が多様化しています。
※2 出典:American Urological Association, Benign Prostatic Hyperplasia.
https://www.auanet.org/education/auauniversity/medical-student-education/medical-student-curriculum/bph
iTindは、一時的に尿道に留置するナイチノール製のワイヤーデバイスで、前立腺肥大による下部尿路症状を緩和するための処置具です。iTindを折り畳んだ状態で尿道に留置し、5~7日間をかけて3方向に圧力をかけ尿道を広げることで排尿障害の改善をサポートします。
オリンパスのCOO(最高事業責任者)であるナチョ・アビア(Nacho Abia)は、「Medi-Tate社への出資により、市場をリードする当社のTURP(経尿道的前立腺切除術)用デバイスのポートフォリオに加え、BPHの低侵襲治療分野の製品ラインアップを拡大することができました。Medi-Tate社との提携は、泌尿器事業の成長を牽引する重要な戦略であり、これによって当社は、医療コストの削減、患者さんのQOL向上にさらに貢献してまいります。」と語っています。
関連コンテンツ
PR
PR
PR