- 2021/05/13 掲載
ソフトバンクG、安定収益が課題=利益は株価次第
ソフトバンクグループ(SBG)が12日発表した2021年3月期連結純利益は4兆9879億円に上り、日本の上場企業として過去最高額を記録した。記者会見した孫正義会長兼社長は「売上高も利益も1兆円、2兆円(の単位)で数える規模になった」と胸を張るが、株価次第で利益は大きくぶれる。国際的大企業の評価を得るには事業の安定性確保が課題となる。
1981年にSBG前身企業を設立してから40年。SBGの中核事業は携帯電話などから、ベンチャー企業にいち早く出資し、成長の果実を狙う戦略投資へと完全に移った。傘下ファンドでは人工知能(AI)を使った動画編集や小売店の商品棚改善など幅広い業態に投資している。
孫氏は20年3月期の1兆円に迫る巨額赤字から一転して膨大な利益を計上できたことについて、株高の恩恵や投資先企業の新規上場などを挙げ、「『たまたま』が重なった」と指摘。一方、「(継続的に利益を上げる)仕組みは欠けていた」と認めた。
SBGは21年3月期の純利益で米アップルに迫ったが、時価総額では約19兆円と米巨大IT企業の半分以下の水準にとどまる。投資の実績を上げ、さらに信頼感を高めなければ「(市場から)過小評価されている」(孫氏)状態が続きそうだ。
【時事通信社】
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