• 2021/05/13 掲載

超長期金利、過度な低下の悪影響意識して政策運営=黒田日銀総裁

ロイター

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[東京 13日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は13日、参議院財政金融委員会で、超長期金利の過度な低下が経済活動に悪影響を及ぼす可能性を念頭に金融緩和を実施すると述べ、超長期金利の過度な低下に改めて警戒感を示した。その上で、金融緩和のメリットが国民全体に及ぶようなマクロ政策を実施していきたいと話した。

同日の半期報告後、黒田総裁などの日銀幹部が与野党議員の質問に答えた。マイナス金利政策の金融機関収益への影響について、日銀の山田泰弘理事は「マイナス金利の影響だけを取り出すことは難しい」と指摘。その上で、金融機関の2019年度決算の当期純利益はマイナス金利を導入した15年度対比で約1.3兆円減少したと述べた。

黒田総裁は、2%の物価安定目標が実現していないことは「残念なこと」だが、実現に向けて最大限の努力していくと述べた。ETF(上場投資信託)の買い入れは他の主要中銀が行っていない「異例の措置」だが、物価目標の実現に向けて、ETF等のリスク性資産の買い入れを含む金融緩和は「引き続き必要な施策」との認識を示した。

2021年3月から適用した地域金融強化のための特別当座預金制度について、山田日銀理事は「応募はかなりの数に上った」と述べた。ただ、日銀が金融機関に支払う利息の総額は、要件を満たした金融機関の数や預金残高によるため現時点で答えるのは難しいとした。

<緊急事態宣言、対面型サービス中心に下押し>

半期報告で黒田総裁は、経済の現状について感染症の影響から引き続き厳しい状態だが「基調としては持ち直している」との認識を示した。先行きも外需の増加や緩和的な金融環境などで回復していくとみているが、見通しについては当面「下振れリスクが大きい」と述べた。

新型コロナウイルスの変異株の感染拡大に伴い、一部の地域で緊急事態宣言や「まん延防止等重点措置」が取られている。黒田総裁は、飲食・宿泊など対面型サービス部門を中心に経済活動は下押しされているが、海外経済が総じて回復する中、輸出や生産は増加を続け、設備投資も持ち直していると述べた。

消費者物価の前年比は、コロナ感染症や携帯電話通信料引き下げの影響などで小幅なマイナスが続く見遠しだが、経済の改善が続き、一時的な下押し要因が剥落していけば、前年比はプラスに転じ、徐々に上昇率を高めていくとした。

金融政策運営については、当面は「感染症の影響への対応が重要」と指摘。引き続き企業などの資金繰り支援と金融市場の安定維持に努めていくと述べた。

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