- 2021/05/18 掲載
景気、2番底も=1~3月期GDP
2021年1~3月期の実質GDP(国内総生産)速報値は3四半期ぶりのマイナス成長に陥った。新型コロナウイルス感染拡大で年明けに緊急事態宣言が再発令され、経済活動を制約したためだ。菅政権が頼みとするワクチン接種は主要国・地域に比べ遅れが著しく、4月には3度目の宣言も発令された。4~6月期のマイナス成長も予想され、「感染状況次第では2番底に突入する可能性も否定できない」(第一生命経済研究所)状況だ。
英オックスフォード大研究者らのデータベースによると、5月16日時点で少なくともワクチンを1回接種した人の割合が日本は3.46%。一方、47.09%が接種した米国は個人消費が盛り上がり、1~3月期のGDPの水準はコロナ危機直前の99%まで回復した。出足の鈍かったユーロ圏でも接種が加速し、4~6月期にプラス成長への復帰を見込む。
日本は7月末までの高齢者向け接種の完了を目指すが、接種態勢の整備はなお大きな課題。みずほリサーチ&テクノロジーズは「ワクチン普及で日本が集団免疫を獲得するのは22年にずれ込む」として、21年中は経済活動の水準がコロナ前を下回る状況が続くと想定する。
感染力の強い変異ウイルスの流行で緊急事態宣言の対象は9都道府県に広がり、経済活動が正常化する道筋は見えない。ワクチン接種の遅れが響き、世界的な景気回復の流れに取り残される恐れも高まっている。
【時事通信社】
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