- 2021/05/20 掲載
ANAがアプリで仮想旅行事業、累計売上3000億円目標
コロナ禍で旅客需要の早期回復が見込みにくい中、ANAは非航空分野を強化している。同事業ではターゲット顧客の約8割を外国人と想定し、バーチャル空間で旅行の魅力を再認識してもらい、コロナ収束後の訪日需要の喚起にもつなげたい考えだ。
事業開始に向け、昨年8月に設立した子会社ANA NEO(東京・港)が準備を進めている。100人以上が開発を手掛ける仮想空間プラットフォーム「SKY WHALE(スカイホエール)」を運営する。
総合プロデューサーには、人気ゲーム「ファイナルファンタジーXV」の元ディレクターで、ゲーム制作会社JP GAMES(東京・千代田)最高経営責任者の田畑端氏が就任した。同社はANA NEOにも37.4%出資している。ヴァイオリニストで作曲家の葉加瀬太郎氏が音楽を監修する。
仮想空間内に世界の都市や観光名所などを3次元CGで再現。自分の分身「アバター」を操作し、その場にいるような体験を提供する。最大8人まで同時にログインでき、目的地に向かうフライトを楽しんだり、旅先で土産を買ったりイベントに参加したりできる。過去や未来、テレビや映画の世界にも飛び込める旅行体験も用意する。
仮想空間には、マイルも使って買い物ができるショッピングモール、アドバイスを受けられる医療サービスなども展開する予定。アプリのダウンロードは無料。3000億円の累計売上目標には、アプリ内の有料サービスによる課金収入、モールの出店料などを含む。
スカイホエールは外部にも開放するオープンプラットフォームで、ANA NEOは資本も含めた提携先を募って事業規模を拡大する。ANAは25年度までに非航空事業の年間売上高をコロナ前水準の倍増となる4000億円に引き上げる目標を掲げている。
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