- 2021/06/08 掲載
NY市場サマリー(7日)米国株まちまち、ドル小幅安、利回り横ばい
<為替> ニューヨーク外為市場では、ドルが小幅安で推移。長期金利の落ち着いた動きに反応した。
先週末は米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想に届かなかったことで、10年債利回りが大幅に低下。この日もわずかな伸びにとどまった。
アクション・エコノミクスのグローバル通貨分析部マネジング・ディレクター、ロナルド・シンプソン氏は「利回りは雇用統計前の水準を大きく下回っており、この点がドル売りを誘ったもようだ」と指摘した。
ドルは通貨バスケットに対し0.21%安の89.946。ユーロ/ドル0.23%高の1.2194ドル。ドル/円JPY=は0.23%安の109.26円。
市場は10日の米消費者物価指数(CPI)や欧州中央銀行(ECB)理事会に注目している。ECBに関しては、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の買い入れペースを性急に落とす考えはないもようだ。
<債券> 米金融・債券市場では、週内の一連の国債入札をにらみ、国債利回りがほぼ横ばいで推移した。
終盤の取引で10年債利回りは1.567%と、上昇幅は1ベーシスポイント(bp)未満にとどまった。
財務省は8日に580億ドルの3年債、9日に380億ドルの10年債、10日に240億ドルの30年債の入札を実施。キャンター・フィッツジェラルドのアナリスト、ジャスティン・レデラー氏は、連邦公開市場委員会(FOMC)を来週に控えていることで、米債券市場が「レンジ相場から脱却できる理由は現時点では見当たらない」としている。
連邦準備理事会(FRB)が短期金融市場における資金吸収のための調節手段としているリバースレポ・ファシリティーの取引額がこの日、4861億ドルに達し、再び過去最高を記録。低金利環境の下、手元資金を持てあましている金融機関がリバースレポを利用してFRBに金利0%で資金を貸し出す動きが続いている。
こうした動きは、短期金利に対する圧力になっている。
<株式> 米国株式市場は、方向感に欠く展開となる中、まちまち。ダウ工業株30種が下落する半面、ナスダック総合は上昇。S&P総合500種はほぼ変わらずで取引を終えた。インフレ高進懸念もくすぶっている。
ただ、ダウとS&Pは終値での最高値から1%ポイント以内の水準を維持した。
ノバポイントの最高投資責任者(CIO)、ジョゼフ・スローカ氏は「決算というテーマが終わり、次の決算シーズンまでは経済データが材料となることから市場は小康状態だ。きょうは、投資家が行動を起こすきっかけがあまりない」と指摘。
また「インフレ動向を巡って市場は変動してきた」とし、次の注目材料として10日発表の消費者物価指数(CPI)に言及した。
この日は、個人投資家の間で人気の高い「ミーム株」(ネットの情報拡散で取引される銘柄)が引き続き上昇する中、小型株がアウトパフォームした。
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、ドル安を眺めた買いが先行し、続伸した。
外国為替市場でドルが対ユーロで下落。ドル建て商品として割安感が増した金を買う動きが活発化し、1900ドル近辺まで上昇した。一方、週末に伝わったイエレン米財務長官の発言を受けて米長期金利が小幅上昇したことは、金利を生まない金塊の重しとなった。
イエレン財務長官は6日、米メディアとのインタビューで、バイデン米大統領が打ち出した4兆ドル規模の財政支出計画について、仮にインフレ加速や金利上昇につながったとしても米国経済にプラスになると述べ、市場では金利上昇容認と受け止められた。
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、エネルギー需要の拡大期待を背景とした買いが一服し、反落した。
インドで新型コロナウイルスの新規感染者が激減したほか、米欧で経済活動の規制緩和が進み、エネルギー需要見通しに対する楽観的な見方が相場を押し上げた。また、石油輸出国機構(OPEC)のバーキンド事務局長が、今後数カ月に一段と在庫が減少するとの見通しを示したことも好感された。
ただ、70ドルの節目を付けた後は利食い売りが台頭し、7日はおおむねマイナス圏で推移。中国の5月の原油輸入が製油所のメンテナンスの影響で、前年比14.6%減少したとの報などが重しとなったもよう、また、イランと英仏独中ロは10日、核合意の再建に向けた5回目の協議を予定しており、制裁解除の可能性につながる交渉の行方にも注目が集まった。
ドル/円 NY終値 109.24/109.27
始値 109.40
高値 109.42
安値 109.20
ユーロ/ドル NY終値 1.2189/1.2190
始値 1.2154
高値 1.2201
安値 1.2155
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 102*25.00 2.2468%
前営業日終値 102*30.50 2.2390%
10年債(指標銘柄) 17時05分 100*16.50 1.5687%
前営業日終値 100*19.00 1.5600%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*25.25 0.7933%
前営業日終値 99*26.75 0.7840%
2年債(指標銘柄) 16時21分 99*30.00 0.1567%
前営業日終値 99*30.50 0.1490%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 34630.24 -126.15 -0.36
前営業日終値 34756.39
ナスダック総合 13881.72 +67.23 +0.49
前営業日終値 13814.49
S&P総合500種 4226.52 -3.37 -0.08
前営業日終値 4229.89
COMEX金 8月限 1898.8 +6.8
前営業日終値 1892.0
COMEX銀 7月限 2801.8 +12.2
前営業日終値 2789.6
北海ブレント 8月限 71.49 ‐0.40
前営業日終値 71.89
米WTI先物 7月限 69.23 ‐0.39
前営業日終値 69.62
CRB商品指数 209.5325 ‐0.7615
前営業日終値 210.2940
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