- 2021/06/15 掲載
みずほ、役員11人処分=社長は減俸6カ月―藤原頭取は当面続投・システム障害
みずほフィナンシャルグループ(FG)は15日、子会社のみずほ銀行で相次いだシステム障害を受けた経営陣の処分と再発防止策を発表した。坂井辰史FG社長が6カ月間、みずほ銀の藤原弘治頭取が4カ月間、月額報酬を50%減額するなど、役員計11人を減俸処分とする。藤原頭取は今月末に引責辞任する見通しだったが当面続投し、再発防止に取り組む。
金融庁は近くみずほに業務改善命令を出す方針。みずほFGはこれを踏まえ、藤原氏を含め改めて人事を刷新する。
みずほの坂井社長と藤原頭取らが同日夕、都内で記者会見した。坂井氏は「度重なる障害でご迷惑とご心配をお掛けし、改めて深くおわびする」と謝罪した。
みずほFGは同日午前、システム障害に関する第三者委員会の調査報告書を公表した。報告書は、みずほで繰り返されてきた大規模障害の根底に「経営陣以下のシステムリスクに対する感度の低さがある」と明記。顧客への対応についても「有事の対応で顧客利益に配慮する姿勢が足りなかった」と断じた。
報告書はさらに、組織の危機対応力、ITシステム統制力、顧客目線のいずれでも弱さがあると指摘。背景には「積極的に声を上げることで、かえって責任問題となる」という「体質や企業風土」が影響していると分析した。
みずほは再発防止に向け、日本IBMなどからシステムに精通する外部人材を登用。危機管理担当役員も置く。また、障害発生時を想定し基幹システムの総点検を実施する。このほか、2月末の障害時にキャッシュカードや預金通帳が大量に現金自動預払機(ATM)に取り込まれたことを踏まえ、原則としてカードなどが取り込まれないようATMの仕様も変更する。
【時事通信社】 〔写真説明〕システム障害に関する記者会見で、頭を下げるみずほフィナンシャルグループ(FG)の坂井辰史社長(左)と、みずほ銀行の藤原弘治頭取=15日午後、東京都千代田区
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