- 2021/06/29 掲載
バルセロナで通信見本市、各社から欧州規制の見直し求める声
スペインの通信大手テレフォニカのホセ・マリア・アルバレス・パレット・ロペス最高経営責任者(CEO)は開幕の基調講演で、「欧州の規制の枠組みは完全に時代遅れだ」と指摘。「現行規制は前世紀のネットワークに基づいている」と述べた。
ドイツテレコムのティモテウス・ヘットゲスCEOは、欧州の通信業界はまとまっておらず、27種の異なる規制に悩まされていると指摘。その一方で、フェイスブックやマイクロソフトなどが通信業者のネットワークインフラを無料で使い、メッセージサービスを展開していると述べた。
「われわれは目を覚まし、この業界で公平な競争の場を見つけなければならない。欧州のためにビジョンを提示できる優れた政治家が必要だ」と強調した。
欧州委員会は、2030年までに欧州の全世帯対象にギガビット級のネットワークを提供し、人口が密集している地域に5G(高速通信規格)を導入する計画。
5Gネットワークには多額の資金が必要となる。モバイル通信の業界団体GSMAの推計によると、通信各社は2025年までに9000億ドルの設備投資を行い、その内80%が5G向けとなる。
PPフォーサイトのアナリストPaolo Pescatore氏は「事業各社は免許取得やネットワーク構築で多額の投資をしなければならない一方で、利益率は低下し、ユーザー1人当たりの平均収入も減少している。そのため、新たな収益機会を求めている」と指摘した。
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