- 2021/07/09 掲載
NY市場サマリー(8日)株式反落、安全通貨に買い
<為替> 新型コロナウイルス変異株感染拡大に対する懸念からリスク通貨が売られ、安全通貨が買われる展開になった。
国債利回りが上昇し、株価が下落する中、外国為替市場ではユーロのほか、安全資産と見なされる円とスイスフランに買いが入り、ドルはこれらの通貨に対して下落した。
欧州中央銀行(ECB)はこの日、1年半にわたる戦略見直しの結果、中期的なインフレ率目標を「2%」に変更。これまでの「2%に近いが、それを下回る水準」を改め、物価の一時的な上振れを容認する方針を示した。
これを受け、ユーロは当初の上げを維持し、終盤の取引で0.39%高の1.18365ドル。
ドルは対円で0.71%安の109.825円。円は一時109.535円と、6月11日以来の高値を付けた。
スイスフランは対ドルで0.9134フランと、6月17日以来の水準に上昇した。
<債券> 国債利回りが引き続き低下し、10年債利回りが約5カ月ぶりの低水準を付けた。景気回復の最盛期が終了したかもしれないとの懸念がくすぶっている。
10年債利回りの低下は8営業日連続。米国で新型コロナウイルスの感染が拡大していた2020年3月3日までの9営業日連続以来の最長記録となった。
2年債と10年債と利回り差は一時104.2bpと2月12日以来の水準に縮小した。終盤は108.9ベーシスポイント(bp)。
10年債利回りは3.5bp低下の1.286%。一時1.25%と2月16日以来の低水準を付けた。
30年債利回りは3.4bp低下の1.910%。一時2月2日以来となる1.856%まで低下した。
<株式> 反落。米景気回復ペースを巡る不透明感から、幅広い銘柄に売りが出た。
質への逃避の動きから米国債が買われる中、主要株価3指数がそろって下落。景気に敏感なダウ輸送株20種は3.3%下げた。
S&P総合500種の主要11セクターも全てマイナス圏で引け、金融の下落がきつかった。
中国が米上場の中国企業への締め付けを強めていることもリスク回避ムードにつながった。中国は配車サービス最大手の滴滴出行(ディディ)のほか、ハイテクセクター以外にも取り締まりの動きを拡大している。
この日の取引で滴滴は5.9%下落。アリババ集団と百度(バイドゥ)もそれぞれ3.9%安、3.7%安となった。
<金先物> 小幅ながら6営業日ぶりに反落した。米長期金利の低下やドル安に支えられて買いが先行したが、続かず、利益確定の売りに押された。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比1.90ドル(0.11%)安の1オンス=1800.20ドル。
<米原油先物> 米国内の原油・ガソリン在庫が予想を上回る取り崩しとなったことを受けて買いが優勢となり、4営業日ぶりに反発した。米国産標準油種WTIの中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比0.74ドル(1.02%)高の1バレル=72.94ドルだった。9月物は0.72ドル高の72.22ドルとなった。
ドル/円 NY終値 109.79/109.82
始値 109.80
高値 109.86
安値 109.54
ユーロ/ドル NY終値 1.1842/1.1846
始値 1.1839
高値 1.1867
安値 1.1834
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 110*05.50 1.9253%
前営業日終値 109*23.00 1.9440%
10年債(指標銘柄) 17時05分 103*01.50 1.2945%
前営業日終値 102*25.50 1.3210%
5年債(指標銘柄) 17時05分 100*20.75 0.7420%
前営業日終値 100*14.75 0.7800%
2年債(指標銘柄) 16時23分 99*27.50 0.1963%
前営業日終値 99*26.25 0.2160%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 34421.93 -259.86 -0.75
前営業日終値 34681.79
ナスダック総合 14559.79 -105.28 -0.72
前営業日終値 14665.06
S&P総合500種 4320.82 -37.31 -0.86
前営業日終値 4358.13
COMEX金 8月限 1800.2 ‐1.9
前営業日終値 1802.1
COMEX銀 9月限 2598.7 ‐14.2
前営業日終値 2612.9
北海ブレント 9月限 74.12 +0.69
前営業日終値 73.43
米WTI先物 8月限 72.94 +0.74
前営業日終値 72.20
CRB商品指数 209.5520 +0.3471
前営業日終値 209.2049
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