新ＥＣＢ戦略、失われたインフレの「穴埋め」せず＝独連銀総裁

［フランクフルト　９日　ロイター］ - 欧州中央銀行（ＥＣＢ）理事会メンバーのワイトマン独連邦銀行（中央銀行）総裁は９日、ＥＣＢがさえない物価上昇局面の後に失われたインフレの穴埋めを試みることはなく、新しいインフレ率２％目標のオーバーシュートを目指すことはないと述べた。

ＥＣＢは８日、１年半にわたる戦略見直しの結果、中期的なインフレ率目標を「２％」に変更すると発表した。これまでの「２％に近いが、それを下回る水準」を改めた。

ＥＣＢは時にはこの目標を上回ることがあるかもしれないとする一方、ワイトマン氏はそれがゴールになることはないと指摘。「われわれは金利の低下も上昇も目指していない」とし、「それは私にとって重要だった」と述べた。

投資家は、インフレ率が目標に届かない局面が長期化していることを受け、目標を上回るインフレ率を目指す「穴埋め」戦略をＥＣＢが取るかどうかを知りたがっているが、ワイトマン氏はこの戦略を否定。「われわれは金融政策を過去に達成されなかった目標に付随させることはしない。われわれの戦略は引き続き将来を見据えたものであり、金利の実効下限制約という新たな挑戦を考慮に入れる」と述べた。