- 2021/07/15 掲載
米国株式市場=S&P上昇、FRB議長証言消化
S&Pの主要11セクターでは公益事業、不動産、主要消費財が約0.9%高と上げを主導。エネルギーは約3%下落した。
FRBのパウエル議長は14日、下院金融サービス委員会の公聴会で証言し、「景気回復が完了するまで」、FRBは金融政策を通じて経済に「強力な支援」を提供すると表明。最近のインフレ上昇を一時的なものと見なし、雇用拡大が継続する必要性に焦点を当てた。
今週発表された6月の卸売物価指数(PPI)は前月比1.0%上昇と、市場予想の0.6%を上回る伸びとなった。6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.4%上昇し、2008年8月以来約13年ぶりの大幅な伸びを記録した。
ここ数週間、投資家はインフレ動向に注目しており、FRBがタカ派的な姿勢に転じる可能性を懸念してきた。
今週、銀行大手の決算発表を皮切りに第2・四半期決算シーズンが始まる中、リフィニティブのIBESデータによると、S&P採用企業の1株利益は前年同期比66%増加すると予想されている。
S&Pは年初来約16%上昇していることから、多くの投資家は上昇の勢いが失速する可能性を懸念しており、市場の支援材料となり得る企業決算に注目している。
インバーネス・カウンセルのチーフ投資ストラテジスト、ティム・グリスキー氏は「決算が非常に強い内容になることは分かっている。問題は市場がどのように反応するか、経営陣がどのような見通しを示すかだ。これが何よりも重要だ」と指摘した。
アップルは2.4%上昇し、最高値を付けた。同社はサプライヤーに次期iPhoneの生産を約20%拡大させたい意向だというブルームバーグの報道が材料。
マイクロソフトも0.5%上昇し、最高値を更新。基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」をクラウドベースのサービスとして提供すると発表したことが好感された。
マイクロソフトとアップルはS&Pを押し上げた。
この日に第2・四半期決算を発表したバンク・オブ・アメリカ(BofA)は2.5%安。決算で低金利の影響を受けやすいことが示された。
ウェルズ・ファーゴ(Wファーゴ)は4%上昇。14日発表した第2・四半期決算は前年同期の赤字から黒字に転換し、利益が市場予想を上回った。
シティグループも第2・四半期利益が予想を上回ったものの、株価は0.3%安となった。
航空大手アメリカン航空は3%高。第2・四半期のキャッシュフローが新型コロナウイルス流行開始以降で初めてプラスになるとの見通しを示した。
カナダのスポーツ衣料大手ルルレモン・アスレティカは1.7%上昇。ゴールドマン・サックスが同社株について強気な見方を示した。
米取引所の合算出来高は98億株。直近20営業日の平均は105億株。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.32対1の比率で上回った。ナスダックでは2.12対1で値下がり銘柄数が多かった。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 34933.23 +44.44 +0.13 34920.83 35069.18 34826.87
前営業日終値 34888.79
ナスダック総合 14644.95 -32.70 -0.22 14780.90 14790.55 14632.95
前営業日終値 14677.65
S&P総合500種 4374.30 +5.09 +0.12 4380.11 4393.68 4362.36
前営業日終値 4369.21
ダウ輸送株20種 14689.20 +14.58 +0.10
ダウ公共株15種 896.49 +6.09 +0.68
フィラデルフィア半導体 3289.18 -11.62 -0.35
VIX指数 16.33 -0.79 -4.61
S&P一般消費財 1463.27 -2.50 -0.17
S&P素材 516.70 -0.99 -0.19
S&P工業 867.32 -0.32 -0.04
S&P主要消費財 729.69 +6.62 +0.92
S&P金融 606.49 -3.01 -0.49
S&P不動産 288.29 +2.54 +0.89
S&Pエネルギー 384.51 -11.64 -2.94
S&Pヘルスケア 1499.48 -3.07 -0.20
S&P通信サービス 270.28 +0.19 +0.07
S&P情報技術 2688.70 +19.51 +0.73
S&P公益事業 329.69 +2.73 +0.84
NYSE出来高 9.06億株
シカゴ日経先物9月限 ドル建て 28535 - 5 大阪比
シカゴ日経先物9月限 円建て 28515 - 25 大阪比
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