- 2021/08/20 掲載
午後3時のドル109円後半、米長期金利低下受け反落
五・十日にあたるきょうは、仲値にかけて実需の買いが先行し、ドルは109.88円まで上昇。しかし、実需の買いが一巡するとドルは109.61円付近まで反落。米長期金利の低下が嫌気された。
米10年国債利回りは現在1.2350%付近で、前日ニューヨーク市場終盤の1.2433%から低下。
一方、原油安を受けたカナダドルや豪ドルの下落による資源国通貨安/ドル高の流れで、ドルの下値は支えられた。
原油相場の下落の背景には、グローバルなデルタ株の感染拡大で、新たなロックダウン(都市封鎖)を導入している国があるため、燃料需要見通しの下方修正を強いられていることがある。
市場では、新型コロナ変異株の感染拡大を受けた企業活動の停滞を懸念する声が聞かれた。19日には、世界的な半導体不足に加え、東南アジアでの新型コロナウイルス感染拡大を背景に、トヨタ自動車が9月の世界生産を計画から4割ほど減らす方針を明らかにした。
トレイダーズ証券の市場部長、井口喜雄氏は「これまで変異株の感染拡大に対するマーケットの認識が甘かったようだ」と指摘。きょうは日経平均やアジア株が軟調に推移し、リスクオフムードの広がりで円高圧力が強まっているという。
足元のドル/円相場について市場からは、米国のテーパリング(量的緩和の段階的縮小)観測でドルが買われる一方、「世界的に広がるデルタ株の感染や原油先物相場の下落を受け、リスク回避の円買いも進んでいる」(国内金融機関)との指摘が聞かれた。
一方、ユーロは停滞ムードが続いた。
ユーロ/円は昨日の海外時間に節目の128円を下回り、今年2月下旬以来の低水準となった。欧州でも新型コロナウイルスの新規感染者数が増加していることや、ECB(欧州中央銀行)のハト派姿勢が重しとなり、「ユーロ安が続きやすい地合い」(外国証券)だという。
ユーロ/ドルは1.16ドル後半と、昨年11月以来の安値圏に居座っている。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 109.67/69 1.1685/89 128.18/22
午前9時現在 109.76/78 1.1675/79 128.16/20
NY午後5時 109.72/75 1.1674/78 128.12/16
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