- 2021/08/27 掲載
アングル:米金融市場に落ち着き、ジャクソンホール会議「波乱なし」との声
ヌビーンのアンダース・パーソン最高投資責任者(CIO)は「市場や投資家は基本的に中立なスタンスでジャクソンホール会議を迎えようとしている」と述べた。
実際にテーパリングが始まっても、「テーパータントラム」と呼ばれる2013年のような市場混乱は起きないとの見方が一部から出ている。
ゴールドマン・サックスはリサーチノートで、今回はFRB高官が政策の変更について十分に情報発信していることから、市場の反応は2013年よりも小さいと予想した。
ナティクシス・インベストメント・マネージャーズ・ソリューションズのポートフォリオマネジャー、ジャック・ジャナシーウィクズ氏は「これまで常に無風という見方を取ってきた。FRBはしばらく前からテーパリングに言及し続けており、それを想定しないのは状況を理解していないということになる」と述べた。
為替市場は落ち着いている。ドイツ銀行のFXボラティリティ指数は歴史的低水準近くにある。
ケンブリッジ・グローバル・ペイメンツのチーフマーケットストラテジスト、カール・シャモッタ氏は「為替市場は居眠りモード」と指摘する。
米株オプション市場も同様。サスケハナ・インターナショナル・グルーのクリス・マーフィー氏は、トレーダーは総じてジャクソンホール会議への関心が低いと述べた。
分析会社ORATSによるとS&P500指数オプションは現在織り込んでいる27日の値動きは0.6%程度。ロイターの分析によるジャクソンホール会議でFRB議長が講演した日のS&P総合500種指数の値動き平均の0.63%と同程度となる。
債券トレーダーが予想する米国債の変動を示すICE・BofA・MOVE指数は5年平均を若干上回る水準。
ジャナス・ヘンダーソン・インベスターズのグローバル債券ポートフォリオマネジャー、ジェイソン・イングランド氏は、さらなるデータを入手し、テーパリングに関する確固として見解に近づくまで、米国債市場で大きな混乱は起こらないとの見方を示した。
ただし警戒する向きもいる。Tロウ・プライスの資本市場ストラテジスト、ティム・マレー氏は、大半のアセットクラスのバリュエーションが上昇していること、成長の減速、刺激策縮小への懸念から株式を若干アンダーウエートにしている。
野村のクロスアセットストラテジスト、チャーリー・マクエリゴット氏は25日にノートで、27日は米国債オプションが大規模な期日を迎えるため、国債市場が大きく動く可能性があると指摘した。
ピクテ・ウェルス・マネジメントのシニアエコノミスト、トマス・コスターグ氏は「パウエル議長はジャクソンホールで何か話さなくてはならなくなる。すでに地区連銀総裁の見解は聞いており、パウエル氏の考えを聞きたがっている」と述べた。
(Karen Pierog記者、Saqib Iqbal Ahmed記者)
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