中国ヘッジファンド天演資本、クオンツ取引抑制　当局が警告

［上海　８日　ロイター］ - 中国のヘッジファンド天演資本は、クオンツ取引の規模を抑制する方針を明らかにした。クオンツ取引については監督当局が急激な拡大に注意を払うよう国内取引所に呼び掛けたばかり。

天演資本は７日に顧客に送ったメモで、同日の資金調達を中止したとし、「さまざまな方法で運用資産の拡大を積極的に抑制してきたが、まだ伸びが大きすぎる」と説明。

資金調達の中止は顧客の利益を守ることが目的とし「規模を慎重に管理することが長期的な成功の重要な要素」と指摘した。

天演資本のウェブサイトによると、同社の運用資産残高は今年、３倍に膨らみ３００億元に達した。

同社の関係者はクオンツに関する資金調達を中止したことを認めたが、決定が規制当局の圧力によるものかどうかは明らかにしなかった。

数日前にもクオンツ系ヘッジファンドのエボリューション・アセット・マネジメントが、今年はクオンツ商品の販売を行わず、一部の既存ファンドについても資金調達を中止する方針を示している。

中国証券監督管理委員会（証監会）の易会満主席は６日、クオンツ取引の急増が証券取引所の課題になっているとの見解を明らかにした。成熟した市場におけるクオンツ取引や超高速取引は流動性改善につながるとした一方で、群集行動や荒れた相場につながり、不公平をもたらすと批判した。

別のクオンツファンド幹部は当局者が業界関係者と定期的に対話を行い、中国のクオンツファンドに関する情報を収集していると述べた。