- 2021/10/08 掲載
ブラックロック、大口顧客は議決権の直接行使が可能に
ブラックロックは通常、自社ファンドの投資家に代わって議決権を行使し、企業の役員選出から気候変動、労働力の多様性に至るまで、ウォールストリートで最も影響力を持つ企業の一つとなっている。
しかし、ブラックロックが顧客に宛てた書簡によると、特定の機関口座保有者は来年以降、ブラックロックの株式インデックス戦略で保有している4兆8000億ドルの資産のうち、約40%分の議決権を自ら行使できるようになる。
その他保有者は、第三者の議決権行使方針を選び、ブラックロックを利用して議決権を行使できる。
コーポレートガバナンス・ソフトウエア会社ディリジェントのマット・ディグイゼッペ副社長は、今回の変更により大手年金基金などコーポレートガバナンスに関する厳しい議決権行使方針を持つ多くの機関投資家の発言権が増すため、企業が株主総会で自社の選択を押し通すことがより困難になる可能性があると述べた。
ただ、全ての業界関係者がこうした見方に同意しているわけではない。
委任状ソリシター会社オカピ・パートナーズのブルース・ゴールドファーブ社長は、今回の変更による影響はごくわずかと予想。ブラックロックが運用する商品の投資家の多くについて「ブラックロックが既に設定し、投資スチュワードシップチームが実行しているポリシーと大きく異なるポリシーを持っているとは思えない」と語った。
多くの株主提案を行っている個人投資家のジェームズ・マクリッチー氏は、いずれにしても今回の動きは、自らのポートフォリオの社会的影響に目を向ける投資家が増える中、ブラックロックにとってはビジネス面で理にかなっていると指摘した。
ブラックロックは、より多くの投資商品に議決権行使の選択肢を加えることを目指すとしている。
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