［ニューヨーク　２６日　ロイター］ - 米国株式市場はダウ工業株３０種とＳ＆Ｐ総合５００種が最高値を付けたものの、フェイスブックに売りが出たことで上値は重かった。

前日に決算を発表したフェイスブックは第４・四半期について、アップルのプライバシー規約変更の影響がデジタル部門の業績を圧迫するとの見通しを表明。株価は３．９２％下落し、フェイスブックに対する売りがＳ＆Ｐとナスダック総合に対する最大の重しになった。

同社株は３月８日以降初めて終値で２００日移動平均線を下回り、さらに下落する可能性が示唆された。

ケース・キャピタル・アドバイザーズのマネジングパートナー、ケン・ポルカリ氏は「決算は確かにさえなかったが、フェイスブックは他に問題を抱えている」と述べ、元社員の内部告発などで同社のプラットフォームのユーザーを危険にさらしてまで利益を追求する姿勢が浮き彫りになっている問題に言及。これが影響しているとの見方を示した。

ただＳ＆Ｐはこの日、エヌビディアなど時価総額の大きい銘柄の上昇に支援されて最高値を更新した。エヌビディアは６．７０％上昇し、最高値で終了。アマゾン・ドット・コムは１．６８％高、アップルは０．４６％高。

決算発表後にユナイテッド・パーセル・サービス（ＵＰＳ）が６．９５％、ゼネラル・エレクトリック（ＧＥ）が２．０３％上昇したことも指数を押し上げた。

Ｓ＆Ｐ５００採用企業の第３・四半期決算は前年同期比３５．６％の増益が予想されており、市場参加者らは企業がサプライチェーンのボトルネックや労働力不足、インフレ圧力にどう対処しているかに注目している。

ポルカリ氏は「決算への期待から市場は上昇してきた。決算も実際好調となっているが、市場には疲弊感が見られている」と指摘した。

Ｓ＆Ｐの主要１１セクターはこの日、ほぼ全てが上昇したものの、公益事業や不動産といったディフェンシブセクターの上げが目立ち、市場に若干の警戒感があることが示された。

引け後に決算を発表したマイクロソフトは時間外取引で１．２９％上昇、グーグル親会社アルファベットは０．２４％下落した。

玩具メーカーのハスブロは通常取引を３．２３％高で引けた。年末商戦期の売上高についてサプライチェーン問題が影響すると警告したものの、第３・四半期の利益が市場予想を上回った。

ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を１．１３対１の比率で上回った。ナスダックでは１．２３対１で値下がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は１２３億４０００万株。直近２０営業日の平均は１０４億１０００万株。

終値 前日比 ％ 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株３０種 35756.88 +15.73 +0.04 35791.05 35892.92 35734.73

前営業日終値 35741.15

ナスダック総合 15235.72 +9.01 +0.06 15317.50 15384.00 15198.23

前営業日終値 15226.71

Ｓ＆Ｐ総合５００種 4574.79 +8.31 +0.18 4578.69 4598.53 4569.17

前営業日終値 4566.48

ダウ輸送株２０種 15936.69 +62.42 +0.39

ダウ公共株１５種 921.77 +3.99 +0.44

フィラデルフィア半導体 3392.96 +0.57 +0.02

ＶＩＸ指数 15.98 +0.74 +4.86

Ｓ＆Ｐ一般消費財 1560.96 +3.68 +0.24

Ｓ＆Ｐ素材 539.44 +1.96 +0.36

Ｓ＆Ｐ工業 882.77 -4.95 -0.56

Ｓ＆Ｐ主要消費財 743.04 +2.17 +0.29

Ｓ＆Ｐ金融 675.21 +1.09 +0.16

Ｓ＆Ｐ不動産 300.25 +1.38 +0.46

Ｓ＆Ｐエネルギー 448.94 +3.03 +0.68

Ｓ＆Ｐヘルスケア 1544.00 +8.17 +0.53

Ｓ＆Ｐ通信サービス 269.41 -1.30 -0.48

Ｓ＆Ｐ情報技術 2800.29 +9.04 +0.32

Ｓ＆Ｐ公益事業 342.08 +1.92 +0.56

ＮＹＳＥ出来高 8.35億株

シカゴ日経先物12月限 ドル建て 28995 - 135 大阪比

シカゴ日経先物12月限 円建て 28975 - 155 大阪比