東芝報告書、前経営陣に「法的責任問えず」　経産省依存には苦言

［東京　１２日　ロイター］ - 東芝は１２日、昨年７月の定時株主総会に関する調査を行っていた外部委員がまとめた報告書を公表した。経済産業省との連携などをめぐり、当時副社長の豊原正恭氏と常務だった加茂正治氏について「一連の行為を実行した」と認定した。元社長の車谷暢昭氏は「一連の行為に一部関与し、両名に対する指揮命令権を有していた」とした。ただ、これら３人に関して善管注意義務はなく、法的責任を問うことはできないと結論づけた。

また、問題が発生した直接的な原因として「外国投資ファンドに対する過度の警戒心と健全な関係構築に向けた姿勢の不足、経産省に依存しすぎる姿勢」を挙げた。

同社は外部有識者に委託してまとめた今年６月の調査報告書で、昨年の定時株主総会が公正に運営されたものとは言えないとの指摘を受けたことから、再び第三者に委託して真相究明や責任の所在明確化に関する調査を進めていた。

今回報告書をまとめたガバナンス強化委員会は、きょう午後２時から記者会見を行い、内容を説明する。委員長を務めた元最高裁判所判事の金築誠志氏らが出席する。