- 2021/11/18 掲載
米国株式市場=下落、インフレ・供給網巡る懸念で
[ニューヨーク 17日 ロイター] - 米国株式市場は下落して取引を終えた。インフレやサプライチェーン(供給網)を巡る懸念に圧迫された。米連邦準備理事会(FRB)が予想よりも早期に利上げを開始するとの見方が高まっている。
小売り大手ターゲットは好調な決算を発表。通年の見通しを引き上げたほか、利益が予想を上回った。ただ、株価は4.7%下落し、前日の同業ウォルマートの下げに追随した。両社ともサプライチェーンの問題により第3・四半期の利益率が圧迫された。
まだ決算発表していない他の小売企業も売られた。18日に発表を控えるメーシーズは4.5%安、コールズは3.1%安。来週に発表予定のギャップは5.2%安、アーバン・アウトフィッターズは4.2%安。
ただ、一部の小売株は逆行高となった。ディスカウント小売大手TJXは5.8%値上がりし、8月27日以来の高値で引けた。決算が市場予想を上回ったほか、自社株買い計画を拡大、年末商戦期の需要に対応する体制が整っているとの見通しを示したことが好感された。
ホームセンター大手ロウズも0.4%上昇。堅調な米住宅市場を背景に建設会社などからの需要が増加していることから通年の売上高見通しを引き上げた。同業ホーム・デポも前日、好調な決算を発表していた。
クレジットカード大手ビザは4.7%下落し、ダウ工業株30種の重しとなった。アマゾン・ドット・コムは、ビザが発行するカードについて、取引手数料の高さから英国での受付を停止すると発表した。
今週発表された小売統計は力強い内容となり、これまでのところインフレの高まりが経済成長を阻害していないことを示したが、投資家はインフレがさらに加速すれば成長が損なわれ、FRBの早期利上げにつながる可能性があると懸念している。
アブラハム・フォートレス・ファンドのポートフォリオマネジャー、サレム・アブラハム氏は「インフレ率が31年ぶりの高水準を付ける中、金利は過去最低水準となっており、こうした状況にはずれがある」と指摘した。
テミス・トレーディングのトレーディング部門共同マネジャー、ジョー・サルッジ氏は「FRBは可能な限り金利を据え置くだろう。しかし(インフレが)持続的に上昇し、インフレ圧力が継続した場合、(金利が)何回、どの程度の頻度で引き上げられるかが問題になる」と語った。
半導体大手エヌビディアは引け後の決算発表を控え3.1%下落。前日に最高値を付けたフィラデルフィア半導体指数は0.7%安。
電気自動車(EV)株はおおむね堅調。テスラとカヌーはともに3.3%上昇。リビアン・オートモーティブは15.1%下落。先週の上場以来71%値上がりしていたことから利食い売りが出た。
米取引所の合算出来高は106億株。直近20営業日の平均は110億9000万株。
*内容を追加して再送します。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 35931.05 -211.17 -0.58 36159.70 36159.70 35909.48
前営業日終値 36142.22
ナスダック総合 15921.57 -52.28 -0.33 15973.62 15998.57 15909.39
前営業日終値 15973.86
S&P総合500種 4688.67 -12.23 -0.26 4701.50 4701.50 4684.41
前営業日終値 4700.90
ダウ輸送株20種 16550.01 -241.40 -1.44
ダウ公共株15種 912.34 -0.91 -0.10
フィラデルフィア半導体 3831.44 -27.95 -0.72
VIX指数 17.11 +0.74 +4.52
S&P一般消費財 1643.14 +9.59 +0.59
S&P素材 557.38 -3.56 -0.64
S&P工業 899.42 -5.09 -0.56
S&P主要消費財 755.04 -1.46 -0.19
S&P金融 658.25 -7.39 -1.11
S&P不動産 302.56 +1.94 +0.64
S&Pエネルギー 430.97 -7.65 -1.74
S&Pヘルスケア 1556.87 +2.53 +0.16
S&P通信サービス 276.31 -0.50 -0.18
S&P情報技術 2952.82 -11.65 -0.39
S&P公益事業 340.48 +0.46 +0.13
NYSE出来高 8.49億株
シカゴ日経先物12月限 ドル建て 29570 - 120 大阪比
シカゴ日経先物12月限 円建て 29560 - 130 大阪比
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