- 2021/12/01 掲載
インフレ「一時的」を撤回=物価高で緩和縮小加速へ―新変異株のリスク警戒・米FRB議長
【ワシントン時事】米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は30日、議会上院銀行委員会で証言し、物価高は「一時的」としてきた従来見解に関し、「撤回が適切な時期だ」と明言した。インフレ高進を容認しつつ、金融緩和を維持して雇用回復に努める方針から軌道修正。物価高抑制のため、量的緩和の縮小ペースを加速し、終了時期を前倒しする方針について、12月14、15両日の金融政策会合で議論すると明らかにした。
新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染拡大は「リスク」と警戒感を示した。ただ景気への影響は、ロックダウン(都市封鎖)などが導入された昨年3月のコロナ危機時に「匹敵するとは考えていない」と述べた。
FRBは11月初めの前回会合で、国債などの資産購入を通じた量的緩和策について、購入額を月150億ドル(約1兆7000億円)ずつ減らし、来年半ばに終える方針を決めた。
しかし、供給障害などが長引き、消費者物価指数(CPI)上昇率が6%超と、31年ぶりの高水準を記録した。パウエル氏はインフレ圧力が「来年半ばまで」続くと予測。雇用も急速に改善しており、量的緩和策は「(当初の想定より)2~3カ月早めに終わらせることを検討するのが適切だ」と明言した。
【時事通信社】 〔写真説明〕議会で証言する米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長=11月30日、米ワシントン(EPA時事)
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