- 2021/12/01 掲載
独VWの進退危ういディースCEO、マネジャー会議で前向き発言
ロイターが確認した先週の会議でのスピーチ原稿によると、戦略を巡って労働組合から批判を受けているディースCEOは、労組との話し合いは順調に進んでいると述べ、自動運転で米国の競合他社を打ち負かすことから中国での販売強化まで、あらゆる面での自社の進展ぶりを誇った。
また、生産台数が増加し始め、来年の見通しも改善する中、VWにとってサプライチェーン危機の最悪期は過ぎ去ったとも述べた。
さらに、受注がいっぱいで来年の高級車種は事実上完売したとも語った。
ディースCEOは「ここ数週間で大きな進展があったので、私の気分が非常に良いことが分かるでしょう」と話した。
同CEOを巡っては、その経営スタイルや電動化戦略を巡って緊張が高まる中、ここ数週間は進退が危うくなっている。
VWの監査役会は9日に開催され、5年間の投資計画に合意する予定だ。
しかし、監査役会を控え、ディースCEO続投についての不確実性や、電気自動車移行で労働者が懸念するウォルフスブルク工場の将来を巡る意見の相違で暗雲が立ち込めている。
関係筋によると、ディース氏留任の是非を巡る決定は今週末までに下される見込み。
ウォルフスブルクの問題については、経営陣と従業員代表委員会が電気自動車「ID.3」モデルを同工場で組み立てることを議論しており、ディースCEOは「そのようなモデルを生産することは間違いなく意味のあることだ」と述べた。
また、2030年までに同工場を見違えるようなものにすると約束。「グリュンハイデに非常に対抗できる」工場にするための改革を進めているとした。グリュンハイデは米テスラの巨大な電気自動車工場のことで、最終的な承認が得られれば12月に本格的に稼働する予定だ。
ディース氏はここ数週間、VWと比較したテスラの効率性とスピードについてたびたび警告を発しており、自社が自国で後れを取るのではないかという懸念を表明している。
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