- 2021/12/17 掲載
午後3時のドル113円半ばで上値重い、米金利の低下や世界的な株安で
日銀は16─17日に開いた金融政策決定会合で、新型コロナ特別プログラムについて、制度を修正した上で一部を2022年9月末まで半年間延長することを決めた。現行の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)付き量的・質的金融緩和政策は賛成多数で継続を決定した。発表直後のドル/円は反応薄だったものの、午後に入り日経平均株価が下落幅を拡大したことから、円が対主要通貨で買われた。
ニッセイ基礎研究所の上席エコノミスト、上野剛志氏は、日銀の決定は「おおむね予想通りの内容」とした上で、「主要中銀による緩和縮小や将来的な利上げ示唆など引き締め方向の動きが出ており、日銀のコロナ対応の縮小が嫌気された可能性がある」と指摘。世界的な株安からリスク回避の流れも強まり、円高傾向になったとの見方を示した。
足元では米連邦公開市場委員会(FOMC)後の利上げ期待のドル買いがいったん一巡している。上野氏は「(米連邦準備理事会(FRB)が示唆した)年3回の利上げが実現可能かどうかを照らし合わせる時間となり、今後発表される米経済指標を見極めながらの展開となりそうだ」とみている。
ユーロ/ドルは1.1346/1.1350ドル、ユーロ/円は128.87/91円。前日の欧州中央銀行(ECB)理事会の決定を受けてユーロは上昇し、東京市場でも比較的底堅い動きとなった。
市場関係者からは「前日のECB理事会の決定はタカ派寄り」(外資系証券)との声が出ている。パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)は来年3月まで現行の買い入れ規模を維持するとの思惑があったほか、従来の資産購入プログラム(APP)の額も市場の期待値対比では低かったことから、「ECBがFRBに猛追してきたとの見方が広がった」(同)という。
ECBは16日の理事会で、新型コロナウイルス対応の緊急支援策は終了するが資産買い入れは継続し、来年の景気を支援する方針を示した。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 113.57/59 1.1346/50 128.87/91
午前9時現在 113.65/67 1.1331/35 128.81/85
NY午後5時 113.70/71 1.1328/32 128.82/86
PR
PR
PR