- 2021/12/20 掲載
日銀、オルタナティブデータで特設ページ 一部指標を来年公表予定
オルタナティブデータは、国内総生産(GDP)や消費者物価指数(CPI)といった伝統的な経済指標とは異なる経済データで、携帯電話の位置情報、公開情報や報道記事に含まれる膨大なテキストデータ、貸出債権や保有金融商品など金融機関の細かなデータなどがある。昨年、新型コロナウイルスの感染拡大で経済の不透明感が急速に高まると、リアルタイムで状況が把握できる1つのツールとして携帯電話の位置情報の活用が官民で広まった。
日銀は、コロナ禍以前からオルタナティブデータの研究を進めてきた。2013年には大手検索サイトでの主要ワードの検索回数をもとに旅行取扱額の足元の動向を予測をする分析(ナウキャスト)を公表。
コロナの感染拡大後も活用を進め、20年4月の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、スマートフォンの位置情報を用いて東京の繁華街の夜間人口や世界文化遺産における滞在者数の変化を追い、旅行需要や飲食需要が急速に悪化する姿を示した。
日銀の亀田制作・調査統計局長は「コロナ禍だけでオルタナティブデータが有用なわけではない。潜在的なニーズはかなり幅広く捉えることができるのではないか」と指摘する。
日銀はオルタナティブデータのうち一部を定期的に公表する予定だ。亀田局長は、公表するデータの現時点でのイメージとして、個人消費や生産のナウキャスト指標やテキストデータ分析を例示。「一部は来年のなるべく早い時期に公表していきたい」と述べた。
(和田崇彦)
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