- 2022/01/11 掲載
米国株式市場=終盤に下げ幅縮小、ナスダックはプラス回復
[10日 ロイター] - 米国株式市場は主要株価3指数が終盤に下げ幅を大きく縮小する展開となり、ナスダック総合はプラスに転じた。国債利回り上昇を巡る懸念が重しとなったが、下落局面で安値拾いの買いが入った。
ナスダックは一時、前営業日比約3%下落し、昨年11月22日に付けた取引時間中の最高値を10.37%下回っていた。
チェース・インベストメント・カウンセルのピーター・タズ社長によると、上昇している米国債利回りの動向に加え、今週発表されるインフレデータが投資家の注目材料になっている。
タズ社長は「米連邦準備理事会(FRB)がインフレ緩和に向け、どう行動するかが依然として懸念されている」と語った。
また、新型コロナウイルスの感染状況が今週から始まる第4・四半期決算シーズンに及ぼす影響についても懸念を示した。
チェリー・レーン・インベストメンツのパートナー、リック・メクラー氏は、ナスダックが取引時間中に下げ幅を大きく縮小したことについて、一部の投資家が安値拾いの買いを入れたとの見方を示した。
同氏は「グロース(成長)株からバリュー株への資産再配分を行ってきた市場の大手プレーヤーと、テクノロジー銘柄にしか興味のない個人投資家の間での綱引きだ」と指摘。
「ジェットコースターが頂点に達し、下降の一途をたどるのではないかと思う局面を迎えているが、基本的に下落局面では多くの買い手がいる」と語った。
S&P情報技術指数は大きく下落して始まったが、終値は0.1%高と小幅に上昇。ヘルスケア指数は1%高、通信サービスは0.02%高。主要11セクターで上昇したのはこの3セクターのみだった。
工業が1.2%安、素材が0.99%安と下げがきつかった。
FRBが公表した12月連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で早期利上げの可能性が示唆されて以降、市場では利上げ観測が高まっている。
ゴールドマン・サックスのエコノミストは、FRBが今年4回利上げし、早ければ7月にバランスシートの縮小に着手すると予想した。これまでは、米利上げは3回と予想していた。
米10年債利回りはこの日、約2年ぶりの高水準に上昇した。
電気自動車(EV)大手テスラは一時、4.6%下落していたが、終盤にプラスに転じ3%高で引けた。
スポーツ用品大手ナイキは4.2%下落。HSBCが投資判断を「ホールド」に引き下げた。
ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を2.04対1の比率で上回った。ナスダックでは1.97対1で値下がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は121億5000万株。直近20営業日の平均は105億5000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 36068.87 -162.79 -0.45 36175.21 36175.21 35639.91
前営業日終値 36231.66
ナスダック総合 14942.83 +6.93 +0.05 14751.78 14953.86 14530.23
前営業日終値 14935.90
S&P総合500種 4670.29 -6.74 -0.14 4655.34 4673.02 4582.24
前営業日終値 4677.03
ダウ輸送株20種 16018.58 -250.19 -1.54
ダウ公共株15種 962.66 -5.44 -0.56
フィラデルフィア半導体 3805.39 +9.06 +0.24
VIX指数 19.40 +0.64 +3.41
S&P一般消費財 1559.68 -9.34 -0.60
S&P素材 555.60 -5.57 -0.99
S&P工業 890.39 -10.36 -1.15
S&P主要消費財 801.77 -5.88 -0.73
S&P金融 682.86 -2.05 -0.30
S&P不動産 306.87 -1.83 -0.59
S&Pエネルギー 466.32 -1.26 -0.27
S&Pヘルスケア 1583.79 +16.29 +1.04
S&P通信サービス 260.36 +0.06 +0.02
S&P情報技術 2915.00 +2.98 +0.10
S&P公益事業 355.56 -2.29 -0.64
NYSE出来高 10.86億株
シカゴ日経先物3月限 ドル建て 28230 - 220 大阪比
シカゴ日経先物3月限 円建て 28185 - 265 大阪比
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