- 2022/01/17 掲載
みずほFG社長、2月に辞任=後任に木原氏、「不退転の決意」―信頼回復へ刷新・改善計画提出
みずほフィナンシャルグループ(FG)とみずほ銀行は17日、システム障害の多発を受け、再発防止や企業風土改革に向けた業務改善計画を金融庁に提出した。引責辞任する坂井辰史みずほFG社長(62)が体調不良のため2月に前倒しで退き、後任に木原正裕執行役(56)が就くトップ人事も正式に決定した。FG会長、銀行頭取を合わせ3トップが退く解体的な出直しにより、失墜した信頼の回復に全力を挙げる。
東京都内で同日記者会見したみずほ銀の藤原弘治頭取(60)はシステム障害に関し、「心から改めて深くおわびする」と陳謝した。
FG次期社長の木原氏は「一連の障害に対する深い反省の下、不退転の決意で臨む」と表明。その上で、顧客に重大な影響を及ぼす障害を防ぐとともに、障害時には影響を極小化させる「多層的な障害対応力」の向上を進めると強調した。
みずほ銀は昨年2月以降、現金自動預払機(ATM)へのキャッシュカードや預金通帳の取り込みなど、利用者に影響の及ぶトラブルが計10回も表面化。金融庁は昨年9月と11月に業務改善命令を発出し、IT・営業の現場や顧客への影響を軽視して「言うべきことを言わない」企業風土の改善などを求めた。
改善計画では、システムの安定稼働に向けた追加の人員配置に加え、経営への監視機能強化へ社外取締役など外部人材の拡充を盛り込んだ。企業風土変革へは、部署や年代の枠を超えたワーキンググループを設置し、課題を共有する仕組みなどをつくる。
新体制では、4月1日付でFG会長を退く佐藤康博氏(69)の後任に今井誠司副社長(59)を充てる。みずほ銀の藤原頭取も同日付で辞任し、後任に加藤勝彦副頭取(56)が就くことが決まっている。平成入行組の木原氏を中心に若返りを図る。一方、旧日本興業銀行出身の木原氏、旧第一勧業銀行の今井氏、旧富士銀行の加藤氏と、みずほの前身である旧3行間のバランスにも配慮した形だ。
【時事通信社】
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