- 2022/01/18 掲載
豪消費者信頼感、先週は1年超ぶり低水準 感染拡大が重し
先週は、新型コロナウイルスのオミクロン変異株の感染拡大を受けて、人々が自主的に外出を避けた影響で消費が落ち込んだほか、隔離が必要なエッセンシャルワーカーが続出してサプライチェーンにも支障が出た。
オミクロン株が流行する中、オーストラリア政府は今回、ワクチン接種率が90%を超えていれば経済活動を継続できるとして、厳しい行動制限はしない方針だ。だが、新規感染者が過去最多を更新し、死者が増える状況を受け、消費者は移動やサービスへの消費を大幅に控えたとみられる。また、数千人のエッセンシャルワーカーが隔離のために仕事を休んでいることも背景にある。
ANZの豪経済担当責任者のデービッド・プランク氏は「今回のデータが示唆するほど経済が低迷しているとは思わない。基本的な経済状況よりも、オミクロン株感染拡大へのショックや検査体制の逼迫が指数低下の主な要因だ」と指摘。一方で、この結果はコロナ禍が長引けば経済に重大な影響を与える可能性があるという懸念を浮き彫りにしたとも述べた。
先週の調査では、現在の家計状況に関する指数は11.3%低下、経済状況への信頼感は7.6%低下した。また、大型家財道具の購入意欲に関する指数は11.4%低下し、20年8月以来の低水準となった。
オーストラリア・コモンウェルス銀行(CBA)の豪経済担当責任者、ギャレス・エアード氏は、感染拡大によって国内総生産(GDP)の伸びが押し下げられる可能性があるとし、今年第1・四半期の伸び率予想を従来の2.3%から1.0%に下方修正した。
同氏は「今後数カ月は間違いなく豪経済にとって厳しい試練の時となる。だが、急速な感染拡大によって今年半ばまでに集団免疫が獲得される可能性はあり、第2・四半期には経済活動と雇用が急回復するだろう」と語った。
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