- 2022/02/12 掲載
NY市場サマリー(11日)ドル上昇、米株は大幅続落
サリバン氏は、ロシアによるウクライナへの侵攻はいつ開始されてもおかしくはなく、おそらく空爆で始まるとの見解を示した。首都キエフへの奇襲もあり得るという。その上で、ウクライナ国内にいる米国民に対し、ロシアの空爆によって出国が困難になるため24─48時間以内に退避するよう呼び掛けた。
CIBCキャピタル・マーケッツの外為戦略部門責任者、ビパン・ライ氏は、ドル高の直接的な要因はサリバン氏の発言だと指摘。米債や日本円など他の安全資産の動きと合わせ、市場がロシアによるウクライナ侵攻に対する懸念を強めていることを示唆していると述べた。
ドル指数は0.258%高。円は対ドルで0.63%高の115.29円。
カナダドルは軟調。ユーロも下落した。
ロシアルーブルは下げ足を速め、2.73%安の1ドル=77.00ルーブル。
ドルは序盤の取引で、米ミシガン大学が発表した2月の消費者信頼感指数を消化する中、方向感に欠ける展開となった。
2月の消費者信頼感指数(速報値)は61.7と、1月の確報値67.2から低下し、2011年10月以来の低水準となった。インフレ率が短期的に上昇し続けるとの予想が重しになった。ロイターがまとめたエコノミスト予想は67.5だった。
<債券> 米債利回りが低下。指標10年債利回りが2%を下回った。ロシアによるウクライナ侵攻を巡る懸念でリスク選好が後退した。
予想を上回る米インフレ指標を背景とする前日の利回り急上昇の反動から米債利回りはこの日序盤の取引で小幅に低下。その後、ロシアによるウクライナ侵攻が現実味を増したことで利回り低下に拍車がかかった。
サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は11日、ロシアによるウクライナへの侵攻はいつ開始されてもおかしくはなく、おそらく空爆で始まるとの見解を示した。首都キエフへの奇襲もあり得るという。
米10年債利回りは8ベーシスポイント(bp)低下の1.949%。1日の低下幅としては2カ月超ぶりの大きさとなった。ただ週間では3週連続で上昇する勢い。
グレート・ヒル・キャピタルのマネジングメンバー、トーマス・ヘイズ氏は「ウクライナ情勢が週末にどう展開するか、各国首脳らが収拾できるのかを確認する必要がある。収拾できなければ、その影響は深刻なものになりかねず、市場はこれを懸念している」と述べた。
米ミシガン大学が11日発表した2月の消費者信頼感指数(速報値)は61.7と、1月の確報値67.2から低下し、2011年10月以来の低水準となった。インフレ率が短期的に上昇し続けるとの予想が重しになった。
この発表を受け、利回りは一時上昇。10年債利回りは2.063%と2019年7月31日以来の高水準を付けた。
30年債利回りは4.3bp低下の2.259%。一時2.353%と5月20日以来の高水準を付けた。
2・10年債の利回り差は43.8bp。一時39.09bpと8月7日以来の水準に縮小した。
2年債利回りは5bp低下の1.510%。
物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、5年物は2.781%%。前日は2.754%だった。
<株式> 大幅続落となった。ロシア・ウクライナ間の緊張の高まりを受けた。
S&P主要11セクターのうち9セクターが下落。情報技術が3.0%安、一般消費財が2.8%安と下げを主導した。一方、原油価格が7年ぶりの高値を付けたことで、エネルギーは2.8%上昇した。
サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は11日、ロシアはウクライナ侵攻に十分な兵力を集結させたとし、侵攻はいつ開始されてもおかしくはないとの見方を示した。おそらく空爆で始まるとの見解を示し、首都キエフへの奇襲もあり得るとした。
グレート・ヒル・キャピタルのマネジングメンバー、トーマス・ヘイズ氏は「ウクライナ情勢が週末にどう展開するか、各国首脳らが収拾できるのかを確認する必要がある。収拾できなければ、その影響は深刻なものになりかねず、市場はこれを懸念している」と述べた。
エヌビディアが7.3%安、アマゾン・ドット・コムが3.6%安、アップルとマイクロソフトが2%超値下がりし、S&P500を押し下げた。
フィラデルフィア半導体指数(SOX)は4.83%安となった。
商いは増加し、米取引所の合算出来高は134億株。直近20営業日の平均は126億株だった。
週間ではS&P500が1.8%、ナスダックが2.2%それぞれ下落した。
インフラストラクチャー・キャピタル・マネジメントの兼最高投資責任者(CIO)、ジェイ・ハットフィールド氏は「ウクライナが攻撃されれば、見通しの不確実性が高まり、米連邦準備理事会(FRB)が現在の市場想定よりもハト派になるとのわれわれの見解の信憑性が増す」と述べた。
米ミシガン大学が11日発表した2月の消費者信頼感指数(速報値)は61.7と、1月の確報値67.2から低下し、2011年10月以来の低水準となった。インフレ率が短期的に上昇し続けるとの予想が重しになった。
投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(恐怖指数、VIX)は続伸し、1月末以来の高水準を付けた。
個別銘柄では、不動産サイトのジロー・グループが12.7%上昇。四半期売上高が市場予想を上回った。
一方、スポーツ用品小売アンダーアーマーが12.5%安。今四半期の利益率が圧迫されていると警告した。
ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を2.40対1の比率で上回った。ナスダックでも2.54対1で値下がり銘柄数が多かった。
<金先物> 米長期金利の低下やインフレ高止まりへの懸念を支えに、6営業日続伸した。4 月物の清算値(終値に相当)は前日比4.70ドル(0.26%)高の1オンス=184 2.10ドル。週間では34.30ドル(1.90%)上昇。
<米原油先物> ウクライナへのロシア軍侵攻をめぐる警戒感を手掛かりに買いが活発化し、3日 続伸した。米国産標準油種WTI3月物の清算値(終値に相当)は、前日比3.22ドル (3.58%)高の1バレル=93.10ドル。中心限月としては2014年9月下旬以 来約7年4カ月ぶりの高値を更新し、これで8週連続のプラスとなった。4月物は2.8 6ドル高の91.42ドル。
ドル/円 NY終値 115.41/115.44
始値 116
高値 116.02
安値 115.02
ユーロ/ドル NY終値 1.1349/1.1353
始値 1.1393
高値 1.1417
安値 1.1331
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 100*11.00 2.2342%
前営業日終値 98*28.13 2.3020%
10年債(指標銘柄) 17時05分 99*19.50 1.9181%
前営業日終値 98*19.50 2.0290%
5年債(指標銘柄) 17時05分 98*13.75 1.8325%
前営業日終値 97*29.00 1.9440%
2年債(指標銘柄) 17時05分 98*26.25 1.4875%
前営業日終値 98*21.63 1.5600%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 34738.06 -503.53 -1.43
前営業日終値 35241.59
ナスダック総合 13791.15 -394.49 -2.78
前営業日終値 14185.64
S&P総合500種 4418.64 -85.44 -1.90
前営業日終値 4504.08
COMEX金 4月限 1842.1 +4.7
前営業日終値 1837.4
COMEX銀 3月限 2336.9 ‐15.3
前営業日終値 2352.2
北海ブレント 4月限 94.44 +3.03
前営業日終値 91.41
米WTI先物 3月限 93.10 +3.22
前営業日終値 89.88
CRB商品指数 263.0812 +1.5001
前営業日終値 261.5811
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